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今月の数字

20億円(新設されたホテル旅館リニューアルファンド)

最近、観光果樹園経営者の話を聞く機会があった。観光果樹園は1995~96年にかけて全国的に観光客が激減し淘汰された時代があったというが、そのなかで独自に戦略を構築した経営者からは目からウロコの話を多く聞くことができた。
あるブドウ果樹園では30品種以上を栽培し、時間制限なしに「一粒ずつ」もぎ取ってブドウ狩りを楽しめるとあって、「希少なあの品種がもぎ取りで食べられるなんて!」とブドウ好きから熱狂的な支持を得ている。さらに定型のセットではなく顧客の要望を聞いてひとつひとつ詰め合わせていくため、地域外からの顧客の2倍以上、地元民が地域外に送るギフトとして使っているという。一見常識では考えられない商売の仕方は、製造販売にとどまらずサービス業の域に達している。
しかし果樹経営には構造的な課題がある。成園になるまでの育成期間は投下する費用に対して収入が得られないため、規模が大きくなるほどそのタイムラグがきつい。そのため、観光果樹園といえども正社員を雇うのは容易ではなく、流動的なスタッフにマルチタスクを担ってもらわなければならない人材教育の悩みを抱えている。ブドウもぎ取りの経営者も、さらに先の展開は数年後に子供が後継者として就農することが条件だという。商才に長けた女性経営者が投資により大きな経営を任される機会を得たなら目覚ましい成果を上げるのだろうと思った。

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