ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

トウモロコシのはなし

畜産飼料としてのトウモロコシ


飼料費は変動費である。経営では変動費をいかに圧縮し、安定させるかが重要だが、飼料費は自分でコントロールすることができないため、畜産農家はただ飼料費の値上がりに振り回されるばかりである。このリスクを軽減するため、生産者と飼料メーカー、国が積立金を払い、価格差補てんを行なう配合飼料価格安定制度がある。だが、この制度は輸入原料価格が直近1年の平均を上回った場合に発動されるため、高止まりを続けているいまとなってはそのリスクを吸収しているとはいいがたい。
飼料メーカーも価格コントロールには苦慮している。10年前の飼料原料割合よりもトウモロコシの割合を5%減らすなど配合設計を調整しているが、原料価格を100%飼料価格に転嫁できずにおり、一部を除き軒並み赤字。最近では経営統合、連携するメーカーも増えてきている。
一方、飼料費高騰を機に注目を浴びたのがエコフィードである。未利用資源(加工くずなどの食品残さ、余剰生産食品、規格外品など)を飼料化したもので、配合飼料に比べて安価に抑えることができる。しかし、自家配合飼料と同じく、配合設計を自社で行なう必要があるうえ、原料の調達、加工や給餌のための設備投資などハードルがある。一朝一夕の導入は難しく、多くの生産者が配合飼料を使わざるを得ない状況だ。

食味を決めるのは
仕上げ飼料

畜産農場では「飼養標準」という栄養指標に沿って数種類の飼料を使い分けている。親畜専用飼料があり、肥育するにも成長段階にあった飼料を的確に切り替えて使わなくては、最大の肥育効率を得ることができない。給餌は経営においてたいへん重要な技術の1つである。
ブランド畜産物をつくる生産者が最も大切にしているのは、いわゆる仕上げ期の飼料である。肥育牛や豚の場合は肥育期、採卵鶏の場合は成鶏期、乳牛の場合は泌乳期の飼料内容がそのままダイレクトに畜産物の味を左右する。ほんの数%の配合割合や原料産地が変わるだけで食味ががらりと変わるデリケートな時期だ。小売業者などから指定された配合飼料を使う場合も、この時期のみ指定されていることが多い。

国産飼料の強みとは?

仮に国産の飼料原料を使うとして、その強みはどこにあるのだろうか?
ひとつは価格面である。輸入原料の場合、原料農家→穀物メジャー→商社→飼料メーカーを経て、ようやく畜産農家の手に入る。当然、この過程では膨大な運賃や手数料が発生し、それを最終的に負うのは畜産農家である。対して、現状まだ国産トウモロコシは生産規模が小さいこともあって決して安くはないが、畜産農家にとっては産地や品質が見えるうえ、仲介手数料が不要。港から遠い土地であれば、地元で調達できれば運賃を相当安く抑えることができる。また、自分で価格の折り合いをつけることができるのも魅力だ。

関連記事

powered by weblio