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大豆タンパク質の
一次・二次・三次機能
さて、大豆には多くの栄養素が含まれている。『日本食品標準成分表』(文部科学省・五訂増補)によれば、国産大豆(平均)の構成比は、タンパク質35%、炭水化物28%、脂質19%、灰分(ビタミン・ミネラル)5%である。なかでも大豆の機能性を握るのは、最も多く含まれるタンパク質である。
大豆のタンパク質を例に、前述の3つの機能の例を挙げてみよう。
一次機能で見ると、大豆のタンパク質には、生命を維持するのに必要な20種類すべてのアミノ酸が含ま
れている。「大豆のタンパク質は良質」と言われているのはそのためである。
二次機能のおいしさに大きくかかわるのも、アミノ酸である。
1粒の大豆に含まれるタンパク質にはいくつかの種類があるが、主なタンパク質はβ-コングリシニンやグリシニンの2つである。この2つのタンパク質には、アミノ酸のなかでもとくにグルタミン酸やアスパラギン酸が多く含まれている。この2つのアミノ酸は、昆布やカツオなどの出汁に代表される、うま味のもとである。大豆の加工食品である味噌や醤油のうま味もこのアミノ酸に由来する。
三次機能の例としては、動脈硬化発生の原因となるコレステロールを低下させる機能などがある。日本国内ではトクホの認可を取得している商品も多くある。
たとえば、マルサンアイ(株)の「国産大豆の調製豆乳」やキッコーマン(株)の「特濃調製豆乳」(写真1)がその機能性を持った商品で、「コレステロールを低下させる」「コレステロールが気になる方へ」と表示されている。
米国食品医薬品局(FDA)も、大豆タンパク質がコレステロールを低下させ、「大豆タンパク質を1日あたり25g摂ることが心臓疾患のリスク低減に有効」としている。
以上のように大豆タンパク質には一次・二次・三次機能があり、とくに三次機能は多種多様だ。ほかの成分も含め、現在、商品化が進んでいる大豆の三次機能をまとめたい。
女性の健康に効果がある
「イソフラボン」
大豆イソフラボンは、女性の性ホルモン作用による更年期症状や骨粗しょう症を低減する。また、一部のがんの発生リスクを低減したり、脂質の代謝を向上したりすることなどが知られている。また、美肌への効果の研究も報告されている。
抗酸化作用の
「ポリフェノール」
イソフラボンが知られるようになるにつれ、むしろポリフェノールの機能性を伝える商品が増えてきている。
大豆に含まれるポリフェノールは2つに分けられる。褐色や黄色がかった色素はフラボノイド系色素で、イソフラボンはこのひとつである。赤、紫、黒色はアントシアニン系色素である。
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