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今年の市場相場を読む

輸入野菜この10年、国産の対応を検証 サトイモ/生シイタケ/結球レタス/ジャガイモ類

これまで、東京市場の20年前と現在を対比して、さまざまな観点から検証してきたが、これはいわばバブル期の終わりと、回復の兆しが見え始めた現在の比較が目的だった。今回は、05年対14年の10年間で、輸入増減が目立つ品目について見ていきたい。05年といえば、03~07年ごろ始まったバブル崩壊期以降の一本調子の不景気が、いったん底をついた年。以降の回復が期待されたが、リーマンショックや東日本大震災など不測の事態が起きて、日本経済はまた沈み込んだ。それからの10年間、輸入の増減がどんな背景で起きたかをチェックしておくことは、今後の消費回復期には必要事項となる。

サトイモ
国産激減を輸入で代替。各地に食文化が残る

【概況】
東京市場の10年間を対比すると、入荷量で4割もの減少、単価は73%も高くなった。一方、輸入統計を見ると、この10年で数量は12%しか減っていない。しかしそれは生鮮でのことで、冷凍野菜の分類では変動はあるものの、少ない年は3万4000t、多い年で4万8000tもある。このほか調理品としての分類にも含まれているから、国産激減をさまざまな形で輸入品が代替していることになる。
【背景】
統計上では減少傾向ばかりが目につくが、消費者が食べなくなったわけではない。地域によっては、ジャガイモより多用されるケースも。サトイモはおいしいが扱いにくい。国産が激減して高くなったら、輸入に頼るしかない。東京市場では輸入品が年880t入荷している。輸入統計でもやや減っているが、生鮮品は植物防疫上、土付きは御法度。結局、中国内で大量に皮むきして、水モノや味付き調理品として輸入する。
【今後の対応】
生鮮・加工含めて結局4万t近くが輸入されている。水田からの転換でサトイモに挑戦している産地は少なくない。生鮮品の市場価格がキロ300円以上もするのに、最も必要な加工用は50~60円程度。生産者にとって魅力がないということになる。輸入抑制はかなり政策的なテーマだ。ただしサトイモの食文化は全国にある。かなりの数量が地場流通して、中央には出てこないという側面も忘れてはならない。

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