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もし僕が田舎で水田を持ち、町に子どもや孫がいたとしたら、きっと同じことをするだろう。経済的に引き合わないものだとしても、孫や子ども可愛さからだ。かつてのように貧しさからではなく、豊かな日本だからこそ趣味的コメ作りが続き、親戚知人にコメは送られる。家族への情、そしてコメ作りが面白いからだ。
親戚知人への無償コメ流通の比率は年々減少している。生産コストが高いからではなく、高齢化の進行で町にいる家族にコメを送ることが続けられなくなっているのだ。
そう考えれば、彼らの行動に対して経済合理に基づく政策的対応をしたところで効果は期待できない。ということは、減少はしていくがコメの供給過剰は少なくとも5年は続くだろう。そして、法外な財政負担を伴う飼料米政策は長くは続けられない。だとしたら、経営者は自らコメ生産の経営リスクを軽減する方法を考えるべきだ。だから、水田での子実トウモロコシ生産なのである。
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昆吉則 コンキチノリ
『農業経営者』編集長
農業技術通信社 代表取締役社長
1949年神奈川県生まれ。1984年農業全般をテーマとする編集プロダクション「農業技術通信社」を創業。1993年『農業経営者』創刊。「農業は食べる人のためにある」という理念のもと、農産物のエンドユーザー=消費者のためになる農業技術・商品・経営の情報を発信している。2006年より内閣府規制改革会議農業専門委員。
江刺の稲
「江刺の稲」とは、用排水路に手刺しされ、そのまま育った稲。全く管理されていないこの稲が、手をかけて育てた畦の内側の稲より立派な成長を見せている。「江刺の稲」の存在は、我々に何を教えるのか。土と自然の不思議から農業と経営の可能性を考えたい。
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