ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

実践講座:したたかな農業を目指す会計学 続・入るを計り出を制す!

第十四章 資金運用の分析(2) 資金繰り表を作成しよう!

景気は回復基調か

私は社会人になってから、株を始めた。根っから博打は大好きなのだが、そこに充てる時間がほとんどなくなったので株でもやってみようかと思い立ったのが始めた理由である。株は経営・経済の勉強になる賭け事という信念のもと、それ以来、細く長くいまも続けている。
真剣に資金運用を行なっているわけではないが、ひと通りのやり方を経験はした。結果として、現在では積立型の取引が多く、老夫婦のような堅実な資金運用ばかりが残っている。そういった経緯から景気がどうのこうのと、うんちくを語るようになった。
株価はアベノミクスの効果から以前より持ち直し、今年も上昇傾向にあるのは間違いないようだ。株価だけをみると現政権は経済効果をもたらしたと思えるが、実際はどうなのであろうか。景気や経済に関心の高い読者も多いと思うので、昨年の内閣府公表の月例経済報告から景気動向を振り返ってみたい。
月例経済報告は、個人消費、民間設備投資、公共投資、生産活動、雇用情勢、国際収支の主要項目と、企業収益・業況判断、住宅建設、物価、倒産件数、金融の項目で整理され、毎月発表されている。
昨年の12カ月分をまとめると次のようになる。全102項目のうち、16が上方修正、14が下方修正、72が横ばいで最も多い。個人消費、民間設備投資が景気判断では主軸材料だが、1年間でこの2つに上方下方が1つずつあるだけで、20項目が横ばいの判断である。政府は景気が緩やかな回復基調としているが、景気動向を踏まえると、何とも鵜呑みにできない。バブルが弾け、リーマンショックがあり、この20年間で芽生え育った猜疑心は、そう簡単に摘み取れるものではない。
ここからは本音。いまの日本において、景気の横ばいは及第点である。日本の物質的な豊かさは、堅持できているといってよいからだ。汗を流してまじめに働けば、きちんと生活できる国であることにも変わりない。贅沢さえ願わなければ、日常生活に物質的不自由さは感じない。
国民の個人消費が急増するようなことは、よほどのことが起きない限りない。景気は回復というよりは、経済の現状維持ができれば、御の字ではないだろうか。

関連記事

powered by weblio