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トウモロコシのはなし

トウモロコシとカビ毒(1)


この表からもわかるが、カビ毒の原因菌は植物病原菌として土壌など環境中に常在しているものがほとんどで、農産物や食品への汚染をゼロにすることは難しい。そこで害をもたらさない程度に汚染濃度を低減し、極力摂取しないようにするというのがカビ毒対策の基本的な考え方だ。農水省の管理基準値は、輸出入を前提として原則的にコーデックス委員会の値に沿ったものを採用している。

カビ毒の
ヒトや家畜への害

カビ毒が問題となる1点目の理由は、人体への影響だ。発がん性のほか、急性毒性による胃腸や肝臓の障害、免疫力の低下、遺伝毒性(化学物質が直接的または間接的にDNAに変化を与える性質)などがあることも報告されている。
国際連合食糧農業機関(FAO)/世界保健機関(WHO)合同食品添加物専門家会議(JECFA)では、カビ毒の発がん性リスクを表2のように分類している。
アフラトキシン類は肝臓への発がん性があるとされており、これについては日本の食品衛生法でも規定している。総アフラトキシン量が10μg/kgを超える食品、アフラトキシンM1が0.5μg/kgを超える乳については、食品衛生法違反として取り扱われる。
アフラトキシン類に比べるとリスクは下がるが、発がん性を否定できないものには、オクラトキシンA(内閣府食品安全委員会でリスク措置は必要なしとされ、日本では食品の基準値設定がない)やフモニシン類が分類されている。これらはいずれもトウモロコシをはじめとする穀類で発生するカビ毒である。フモニシンは、発がん性以外にも新生児への神経系の催奇形性を引き起こす一因とも言われている。
子実トウモロコシ(デントコーン)は、基本的には人がそのまま子実を食べることはなく、コーンスターチやその他加工材料として使われる。加工の際、乾燥などの工程を経るとカビ毒は濃縮されてしまうため、コーンスターチ業界などでは課題に挙がっている。
2点目は、家畜への影響である。カビ毒に汚染された飼料を給与すると、家畜に不妊や流産といった繁殖障害、けいれん、腎障害など、著しい生産性の低下を引き起こす。また、ヒトに発がん性のあるアフラトキシンM1とM2は、乳牛の体内に取り込まれたアフラトキシンB1、B2が代謝したもので、牛乳中に移行する。さらに、食肉となる内臓(腎臓など)への移行も確認されている。これらを踏まえ、農水省では飼料作成にあたってカビ毒の管理基準値を定め、飼料メーカーに厳重な管理検査体制を求めている。

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