ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

トウモロコシのはなし

トウモロコシとカビ毒(1)



国内でのカビ毒対策

国内で生産される農産物では、とくに小麦の赤カビ病(Fusarium属菌)によるカビ毒デオキシニバレノール(DON)、ニバレノール(NIV)の対策に苦慮してきた。これらのカビ毒は基本的に輸入小麦の問題だと考えられてきたが、01年にJECFAがDONの評価を行なったことをきっかけに、国内でも02年から調査が始まった。
02年の国産小麦の調査ではコーデックスの基準値2mg/kgを上回るものが確認されたことから、同年に厚生労働省は食品用小麦中に含まれるDONを1.1mg/kg以下とする暫定基準値を設けた。
熱帯で発生の多いアフラトキシン類も同じく輸入品の話と捉えられていた。ところが、近年の温暖化による影響か、15年に国内でも九州産黒糖で確認されたため、原因となるAspergillus属菌が国内にも浸潤しつつある可能性が指摘されるようになった。よって、今後はほかの作物でも十分発生のリスクがあると考えられている。
子実トウモロコシは、これまで国内でほぼ生産されていなかったことから、トウモロコシのカビ毒の議論や基準は、輸入品を前提としたものになっていた。国産トウモロコシの生産にあたっては、まずは自主的に輸入トウモロコシや国産麦類と同様の基準で管理を行なっていく必要がある。現状の輸入トウモロコシに関連する基準やカビ毒を防ぐための方策については次号で紹介したい。

関連記事

powered by weblio