ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

海外レポート

ヒール宮井のアグリテクニカ訪問記(後編)

本誌コラムでおなじみの宮井能雅氏ら一行は昨年11月、ドイツで開かれる世界最大の農業機械展であるアグリテクニカに訪問した。そこで見たことや感じたことを寄稿してくれた。 写真・文/宮井能雅
日本やアメリカあたりの乗用車でオートマチック・トランスミッションは標準装備で、あえてマニュアル・トランスミッション仕様にしたくても、そんなものは歴史の片隅に埋もれた存在であることはわかっているが、ヨーロッパではあのベンツでも7割くらいはマニュアル仕様だ。どうしてなのか現地のオーナーに聞いてみたら、「燃費がいいから」と明確な答えだ。確かに数%はいいだろう。では、ヨーロッパ社会が理想でありたいと信じるエセ・グリーン野郎が多くいるこの日本で、なぜ燃費を向上させるマニュアル仕様が廃れたのか。答えは簡単だ。ヨーロッパが理想社会ではないことに気づいているからだ。
では、現地では普通の扱いなのに、日本ではブランド扱いしてくれるエセ・ヨーロッパ信仰は農業にどう影響を及ぼすのか。トラクターでも現地ではマニュアル仕様を選ぶ生産者が多いと聞くが、北海道のマトモナ生産者がアド・ブルー仕様、コモンレール280馬力、710mmのタイヤを履いたトラクターでマニュアル仕様を購入するのか、その前に販売店がそのような仕様のトラクターを売るのか、という話だ。

関連記事

powered by weblio