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入管法における在留資格
日本人を雇用する場合との一番の違いはやはり在留資格でしょう。在留資格とは外国人が日本に入国、在留するための入管法で定められた資格であり、27ある在留資格のうちいずれかを取得しなければなりません。農業技術者や海外取引、通訳などで雇用する場合は「技術・人文・国際業務」の在留資格が必要になり、大学で専門の学部を卒業しているか、実務経験はあるか等の該当要件が細かく決められています。若い方を農業現場で活用する場合は、研修をかねた外国人技能実習制度があり、「技能実習」の在留資格が必要になります。
在留カードを必ず確認
雇用する場合には在留カードを必ず確認し、従事させたい仕事と在留資格が合っていない事態にならないように注意しましょう。また、新しく在留資格を取得する場合は入国管理局への申請が必要になります。技術・人文・国際業務の在留資格は仕事が継続してあれば何年でも更新できますが、技能実習の場合は最長で3年間の受け入れとなります。
募集方法
新聞、雑誌(英字新聞など外国人向けの媒体)、求人サイト、外国人向けの人材派遣会社を利用する方法や、ハローワーク、外国人雇用サービスセンターなどの公的機関を利用する方法があります。外国人雇用サービスセンターは東京、大阪、名古屋に設置されており、外国人留学生に対する情報提供・就職支援・インターンシップの提供や、事業主に対する外国人雇用の情報提供を専門に行なうハローワークです。
技能実習生の受け入れ
技能実習生を受け入れる場合は外国人技能実習生受け入れ事業を行なっている農業協同組合、事業協同組合を利用することになります。主に中国や東南アジアの新興国からの受け入れが多く、組合ごとに対応している国が違ってきます。国によって教育レベルや国民性にも違いがありますので、受け入れをする際によく調べておいたほうがいいでしょう。
【外国人雇用から広がるチャンス】
外国人雇用は、その場しのぎの労働力確保ではありません。近年、農業の6次産業化への取り組みとして、IT業者などさまざまな異業種の人材が参入し、新しいアイデアやビジネスチャンスが生まれています。TPP発効に伴って、外国に日本の農産物を売る機会も増えると予想されます。また、世界中で増え続けている日本食レストランは日本食材の需要拡大にもつながっています。
海外進出のきっかけに
外国人雇用により、海外進出のきっかけが生まれたという事例が多くあります。たとえば雇用した外国人の祖国とのパイプができ、取引が始まる。祖国に帰った外国人が新たな事業拠点をつくり、ビジネスネットワークを構築する。外国人雇用には、そうした可能性も開かれています。多様な人材が参入することによってさまざまな展開も生まれるのではないでしょうか。
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矢萩大輔 ヤハギダイスケ
(有)人事・労務
代表取締役
大手ゼネコン勤務後、1995年に社会保険労務士として都内最年少で開業。起業支援ポータルサイト「ドリームゲート」アドバイザーとして新規就農にも相談に乗っている。農業を通したリーダーシップ研修の場として自社農園「アルパカファーム」を運営。八戸農業ビジネスナイトセミナーや、FM東京「あぐりずむ」の出演プロデュースなども。著書『脱家族経営!若者に魅力ある農業経営のレシピを教えます。』ほか。
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