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今年の市場相場を読む

伝統野菜過去10年間の動向 ダイコン/カブ/コマツナ/ウド

地方野菜、伝統野菜が見直されている。地域ブランドをつくりたい行政、JAや直売所の活性化、普及センター・農業試験場などが新たな特産品づくりに地味な活動をしてきた。日テレ系列の「秘密のケンミンショー」は地域ってかっこいいという価値観・ブームを巻き起こしている。そんな流れが、この10年でどこまで進展しているのか、東京市場の入荷動向から推測してみたい。東京市場は全国の約1割を扱う。東京の「江戸野菜」なども市場や仲卸などが生産者と連携して普及に力を入れている。地方野菜、伝統野菜を安定的に流通・販売させるためには、卸売市場の仕組みを活用するのがよい。

ダイコン
10年で5%の伸び。地産地消から地産全消に向けて

【概況】
東京市場へのダイコンの入荷は、重量野菜が全体的に減る傾向にあるなかで、この10年を対比すると5%の入荷増、単価も2割高い。これが傾向を表すのか年ごとの豊凶の波なのか、大型品目であるためにわかりづらい。しかし、地域野菜や伝統野菜復活の動きがあるのは事実で、入荷動向からそれがわかる。ただ、最近有名になってきた加賀野菜の源助ダイコンは、10年前の30tが20tにまで減った。
【背景】
認証されている江戸野菜のダイコンは、練馬・亀戸など7品種もあるのだが、この10年で386tから104tへと激減だ。また、このところ需要も伸びているはずの辛味ダイコンの産地である群馬は、1422tから884tへ。長野の場合だけは91tから122tへ増えた。この間の5%の入荷増は、神奈川・北海道・青森などの主産地の増産が要因だが、これら大型産地でも、ビタミンダイコン、辛味ダイコンを栽培するケースもある。
【今後の対応】
地域野菜や伝統野菜が、東京市場まで出荷されるとすれば、地産地消から始まって面積が増え、地産全消へと拡大したものに限られるのだろう。かつて伝統野菜を含む“新商品”は、まず東京市場に出荷したものだが、いまや最初は地場で流通して評価や利用が定着してから、全国商品化を目指すという“まっとうな”状況になってきた。地域文化から生まれた商品が中央でも他の地方でも求められる時代になっているのだ。

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