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北国の春。稲の出芽環境は厳しい。この20年の乾直の歴史で一番かわいそうなのは、籾だ。多いときには7割が死滅したこともある。出芽できなかった種籾を奉り、乾直を当たり前の稲の栽培技術としてくれた品を奉納する。神事に似た儀式で厳かな雰囲気が演出された。
ノミニーが北海道でも認可
総合司会は中央支部長の田村裕良氏(妹背牛町、乾直歴9年)。午後の部の開会が宣言され、講演の部がスタートした。
トップバッターはクミアイ化学工業(株)の松澤氏。除草剤「ノミニー」について、岩見沢での現地試験の成績、使い方や薬害などを解説した。振り返れば、第2回雪国直播サミットin東北(2010年)で岩手県花巻市の盛川周祐氏がノミニーを処理した圃場を見せてくれた。それから北海道で登録認可が下りるまで、じつに7年の歳月がかかった。
参加者の関心は高く、60分があっという間に過ぎた。効能が優れるため、参加者らはこれを使わぬ手はないと、終始真剣な面持ちで講習を受けていた。
直装式レーザーレベラーの軌跡
2番手は「レーザーレベラーの軌跡」と題して、長門茂明氏(道央支部長、元・スガノ農機レーザー均平機の開発・設計者)が講演した。
冒頭にヒューマンドキュメンタリー『乾田直播への道』(製作・著作:スガノ農機)が上映され、乾直に懸ける想いとレーザー均平機の作業体系を眺めた後、初号機の画像が映し出された。
長門氏は、スガノ農機時代に、上司の直装式レーザーレベラーの製作に懸ける想いを形にした技術者である。まさにこの画期的な機械は、長門氏の試行錯誤と、現場で果敢に挑戦した乾直実践者の努力の賜物に他ならない。「直装式なくして、乾直に成功なし」。この20年には直装式レーザーレベラーの効果実証の歴史が凝縮されている。なお、初号機は長門氏の圃場でいまも活躍中とのことである。
「ウルトラクイズ!」の再来
休憩を挟んで始まったのは、私が司会を務めた「乾直横断ウルトラクイズ」。昨年の雪国直播サミットで好評だった参加型イベントである。ルールはいたってシンプル。クイズ出題後、参加者は○×ゾーンへ移動すると、各出題内容に詳しい参加者が正解を伝え、解説を加える。正解した者だけが勝ち残る。
10問が終わったところで正解者は減り、2名が勝ち残った。ひとりはJAいわみざわの江戸指導員。2人目はなんと、九州は福岡県から参加の結城良裕氏。商品はプラウ型スプーンと乾直ステッカー、10俵取り指南書(製作・JAいわみざわ)。決勝戦の3ポイント勝ち抜けは次回に持ち越され、にぎわった。
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