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【特集】
来たれ!TPP【後編・活用講座】
- 編集部
- 2016年04月04日
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第1章
FTA基礎編
TPPを活用するには、FTAの理解がその第一歩である。
-PROLILE-
嶋 正和(しま・まさかず)
(株)ロジスティック 代表取締役
東京大学工学部卒業後、ボストンコンサルティングに入社。マーケティング、IT、ロジスティクス関連プロジェクトに従事。フランスINSEADでMBAを取得後、フットワークエクスプレス、ローランドベルガー・アンド・パートナーを経た後、サプライチェーンとFTAのコンサルティングを行なう(株)ロジスティックを設立。グローバル・サプライチェーンとFTAの活用に関するコンサルティングをこなす。関連書籍を多数出版。
【TPP/FTAを活用するためのコツ】
ちまたではTPPのことがいろいろと話題になっている。じつは、今年は日本にとってメガFTAの年といっていい年だ。TPPはそのメガFTAの代表的なものになる。
いま、日本が交渉しているFTAでメガFTAと呼べるのは以下のものが入る。
・TPP
・日本EU EPA
・RCEP(ASEANと日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、インドの16カ国)
・日中韓FTA(日本、中国、韓国)
それ以外にも日本が交渉しているFTAはある。とくに、日本EU EPAもRCEPも年内に大筋合意がなされる可能性を大いに秘める。TPPに限らず、これら二つの影響は決して小さくはない。まさに今年はメガFTAの当たり年なのだ。
FTAに関してなじみのない人もいると思われるため、まずは簡単にその概要に触れたい。
【FTAとは何か】
FTAはFree Trade Agreementの略称で、日本語で「自由貿易協定」という。また、日本でよく使われるEPAはEconomic Partnership A- greementが略称で、日本語では「経済連携協定」という。ともに貿易協定の名称で、日本の外務省は、「EPAの方がFTAよりより進化した協定である」と言ってきた。実際にはFTAとEPAの区別はほとんどなくなってきた。以降では、FTAもEPAもFTAに統一して説明していく。
FTAの協定の中ではさまざまな取り決めがある。これら取り決めは交易を活性化することを主目的にしている。
FTAを理解するにはもう少し違った説明のほうがわかりやすいだろう。図2をご覧いただきたい。以前の世界は国を守るため、国境を明確にし、そこで他国との交易を制限してきた。税関を設け、関税を徴収し、外部からのヒト、モノ、カネの出入りを制限してきたのだ。
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