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特集

来たれ!TPP【後編・活用講座】


この取引でFTAを活用した場合、先のCIFにかかる関税がFTAにより無税になる。無税になるとマレーシアに入った段階での価額は105のまま。日本の港を出たときに比べるとあまり上昇していない。場合によっては、日本国内の物流費によるコスト上昇のほうが大きいかもしれない。
この関税撤廃で、日本の商品の価格競争力は相手国でかなり向上することは間違いない。FTAでは日本の農産物の関税の高さが問題視されるが、農業産品に関しては相手の国も関税は高いものだ。海外への攻めの農業を考えるのであれば、FTA活用は必需品だろう。
次からはどのようにFTAを活用するのかのプロセスを述べたい。「イチゴ」を例に見ていく。

【輸出したい産品の関税を知る:HSコードを知る】

商品にどれだけの関税がかかっているのかを知るには、まずはHSコードなるものを知る必要がある。HSコードとは、国際貿易製品の名称および分類を世界的に統一したシステムだ。あらゆる貿易対象品目を「類(大分類)」「項(中分類)」「号(小分類)」の各2桁ずつ3段階、すなわち6桁の数字を用いて順に細分化、分類・配列している。製品はこの分類のどれかに入る。各国の関税率表のコードで上から6桁が同一なら、それは同一品目を示している。品目コードの初めの6桁を条約に適合させた国は、自国の便宜に合わせ、7から10桁まで追加、細分化して使用することを条約は認めている。
関税率もFTAでの関税決定のルールもすべて商品のHSコードを基にして決められているため、商品のHSコードの特定は大事な作業になる。
FTAでのHSコード特定の原則は、輸入する税関にHSコードを確認することにある。なぜなら、輸入国の税関がHSコードを特定し、それに基づき関税を決めるからだ。それが難しいなら、日本の税関が提供している事前教示制度を使い、問い合わせるのも手になる。

税関
http://www.customs.go.jp/okinawa/10_sodan/kyouji.htm
税関のHPを見て探すことも、当たりをつけるにはいいことだと思う。

税関の関税率表
http://www.customs.go.jp/tariff/index.htm
これらを使って、「イチゴ=ストロベリー」のHSコードを調べると“0810.10”というコードに当たる。これが世界で「イチゴ=ストロベリー」という商品の共通コードになる。

【輸出したい産品の関税を知る:World Tariffを使う】

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