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特集

来たれ!TPP【後編・活用講座】



各国の税関は商品のHSコードを基にして商品の関税を決定している。各国税関のHPを訪問して調べれば関税がわかる。一例として、ベトナムの税関の関税に関するHPを見てみる。

http://www.customs.gov.vn/SitePages/Tariff-Search.aspx?language=en-US

そこでイチゴのHSコード0810.10で関税を調べると、図5のように出てくる。「Favour」と書かれたものがWTOに加盟している国向けの関税になる(一般の税率だと思って差し支えない。通常、MFN税率という)。この場合、ベトナムはイチゴに対して15%かけていることがわかる。
日本に関するFTAは、AJCEP(日本とASEANとのEPA)か、VJEPA(日本とベトナムとのEPA)の二つがある。これらの関税を見ると、AJCEPが4%、VJEPAが5.5%で、この場合、AJCEPを使ったほうが得だとわかる。FTAで11%(15%?4%)得にできる。
対象国すべての国の関税をそれぞれの国のHPで確認するのは大変だ。そこで便利なサイトがある。「WorldTariff」と呼ばれるFedExが運営しているサイトがそれだ。このサイトで、どの国から輸入すると関税がどれくらいなのかが一挙にわかる。しかし、このサイトは通常は有償でサービスを提供している。ただ、日本のジェトロが契約し、日本居住者はこのサービスを無償で使えるようにしているため、使わない手はない。関心のある人は、以下のサイトにアクセスし、登録されたい。
http://www.jetro.go.jp/theme/export/tariff.html

このサイトにアクセスし、ベトナムのイチゴの関税を調べてみる(図6)。

図6の該当部分をクリックし、日本の関税を示しているところを探すと、図7のようになった。

日本はやはり4%になる。そこで、4%と書かれた右側の虫眼鏡のアイコンをクリックすると、以下のようなものが出てきた(図8)。
この表は、「穣許表」と呼ばれるもので、FTAが何年に関税を何%にするのかを記したものになる。FTAは関税を発効後、即時に撤廃する商品も設けるが、こういったように時間をかけて関税を撤廃するものも少なからずある。この場合、AJCEPでは2018年、VJEPAでは19年にベトナムはイチゴの関税をゼロにするようだ。
このようなプロセスを経ることで、関税がいつ、どれくらいになるのかがわかる。

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