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しかし、断言する。使う方法を学んでしまったら、あとは簡単に使えるようになる。要は、最初のややこしいことをマスターすることだ。
【FTA活用事例:和牛の輸出】
筆者は、15年度に経済産業省委託事業でEPA相談デスクの対面相談員をした。たいていは製造業の相談だったが、少ない件数ではあっても農産物や食品の輸出相談を受けた。
その一つが秋田の和牛の肉をタイに輸出するものだった。相談者は残念ながら生産者ではなく、輸出者としての物流業者(商社機能を果たしている)だった。担当者が東京勤務のため、気軽に相談に来たというわけだ。必要書類を確認し、その取得と、原産地証明書申請のプロセスを確認して相談から帰っていった。
しばらくしてから、原産地証明書が取得できたとの報告を受けた。「あまり問題なくできました」とのこと。和牛の精肉をしている人のほうが、必要とする情報にもアクセスしやすいため、もっと簡単にできたのではないかと思われる。
【FTA活用事例:日本酒の輸出】
これもEPA相談デスクの対面相談でのことだ。東北の酒蔵経営者がFTAの活用の相談に来た。この酒蔵の従業員が電話で相談してきていたのだが、作り方で少しややこしい話があったため、その問題を解決しにきたというわけだ。これも問題を解決し、安心して帰っていった。
やはりこれも原産地証明の申請に関する情報不足から来ている問題なのだと思う。ただ、努力すればFTAの道は開ける。最初の忍耐が肝心だ。
【それでもわからないという人のために:
FTA原産地証明アウトソーシングサービス】
輸出はしたい、FTAは使いたいが、ややこしいのはかなわないという企業は少なからずある。とくに中小企業は人的資源に限りがあるため、「代わりに原産地証明をやってもらえないか」というリクエストが多くあった。そこで、当社ロジスティックは、FTA原産地証明業務のアウトソーシングサービスを行なっている。
いざというときにはそういうサービスもあるのだと考え、まずは気を楽にして原産地証明にトライしてみることを勧めたい。
【ビジネスチャンスとしてのTPP、メガFTA】
以上、FTAの原産地証明の取得方法、最新のFTA動向を説明してきた。農業は、FTAによって他国に攻められるという被害者意識が先に来ているような気がするが、経済が成長して豊かになっている世界の人が日本の高付加価値の農産品を買ってくれるのだと考えると攻めの意識にならないだろうか。
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