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今年の市場相場を読む

和食食材としての根菜類10年の動き ゴボウ/タケノコ/レンコン/クワイ


タケノコ
旬を守る和食の典型。 掘り方の工夫と「細竹」見直しを

【概況】
東京市場へのタケノコの出荷は、この10年で3割も減り、単価は54%も上がった。タケノコは多くの山菜同様、天候によって発生にバラツキがある。だから年による増減は需要構造とはあまり関連はないが、大きな流れはわかる。和食の代表格のひとつで旬を大切にする。漢字では「筍」と書く。タケノコの食文化を一般家庭でも守る関西地区、1回食べたら満足する関東。地域による違いはある。
【背景】
この10年、主産地福岡のシェアは23~24%とほとんど変わっていないが、数量は35%減った。シェア20%で2位を占めていた中国産は40%の減でシェア12%に後退。年明けごろから出回る小粒で柔らかいが高価格の“はしり”、4月ごろにはしっかりしたタケノコの“さかり”、初夏まで出す“なごり”は安くなってもうほとんど竹のようだ。生鮮タケノコがまだ中国から入荷しているのは、和食文化を補完するためである。
【今後の対応】
タケノコの出荷が減った理由のひとつが掘り子老齢化による人手不足。価格が上がる要因にもなっているが、一方で一般家庭でもタケノコ狩りをする。専門の掘り子が少なくなっても、一般の市民が掘り取りすれば、数量はもっと増える。このように日本の竹林からタケノコを取れば、10万tを上回る輸入品は不要だといわれる。タケノコは、孟宗竹だけでなく、地方ではもっぱら細竹を愛用する。この食材をなんとかしたい。

レンコン
入荷量変わらずも単価高。おいしさを世界に広げるチャンス

【概況】
東京市場に入荷するレンコンは、この10年で約3%減、あまり有意な数字ではない。ただし単価は350円程度が6割高近い550円に上がった。主産地茨城のシェア95%前後は変わっていない。一時、福島原発事故の放射能汚染の影響で、茨城産が敬遠されることもあったが、現在は回復している。05年に40tほどあった中国産のほうが敬遠されたか、15年では1t未満である。レンコンも典型的和食食材だ。
【背景】
入荷量が減少しているわけでないのに単価高。茨城産が原発事故がらみで敬遠された時期でも、初めて関西市場に出荷して、ブランドの徳島産より安くて使いやすいという評価を得ている。レンコンが伝統野菜であるケースは各地で見られるが、茨城産がかつてより広域流通するようになっていることと単価高には関連がありそうだ。また、関東産が減少すると考えた長崎県などは、ジャガイモからレンコンに転作する動きもある。

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