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特集

日本に子実トウモロコシ産業をつくろう


食品化でのハードルは大きく2つある。ひとつはロットの問題だ。これについては、生産者の増産とは別に、収穫したトウモロコシを乾燥・保管・管理する設備、倉庫の問題がある。これは生産者だけでクリアできる問題ではないため、段階を踏んで乗り越えていくべき課題だ。

【食品メーカーの対応】

もうひとつは受け入れ側の食品メーカーの態勢である。これまで輸入トウモロコシの使用実績のあるメーカーは、トウモロコシという材料を使うノウハウを持つ一方で、輸入GMOや輸入Non-GMOを国産Non-GMOという素材にコンタミネーション(混雑)させられない、という苦悩を抱えている。
トウモロコシは遺伝子組み換え食品表示が必要であるため、Non-GM製品であることを謳うためには、個別のラインを持つか、ラインを丸ごと洗浄できるようなシステムを持たなければならない。
しかし、実際には個別設備を持つメーカーは少なく、現状のような少ないロットのために全工程を一時的にストップさせるのは、あまりにもリスキーだ。
ただ、これまでトウモロコシの利用実績がないが、粉砕技術を持つ中小規模メーカーと組んで、商品開発をするという手はある。また、保管の問題が解消されてロットがまとまってくれば、大手でも独自ラインをつくることは可能になるだろう。
Non-GMOというくくりで言えば、輸入Non-GMOを使っている工場であれば問題ないかというと、販売戦略の側面から考えれば、やはりコンタミは防がなければならない。国産としてのバリューがなければ、輸入に比べて小ロットで高価な国産トウモロコシに投資する意味がないからだ。これをクリアするにも、やはりロットをそろえるか、小ロットでも対応できるパートナーを探すしかない。
国内トウモロコシ産業のなかで利用割合の大きなコーンスターチなどの製粉加工が叶えば、菓子・パン・飲料など大きく用途が広がる。しかし、ひとえに誰が保管を担うのか、その設備をどうするのかという点で大きな障害が残る。  (北川祐子)

トウモロコシ価格の国際動向にも注目
穀物相場に対する誤解

日本には穀物相場に対する誤解がまん延しているようだ。
たとえば近年、トウモロコシ価格が高騰する出来事があった。たとえば、2012年8月にはシカゴ商品取引所で1t当たり327ドルと史上最高値を付けた。国産トウモロコシの産業化にあたって、こうした国際価格の動向から大きな影響を被ることは間違いない。

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