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今月の数字

32施設(水産加工品のEU向けHACCP認定施設数)

厚生労働省は3月7日、食品事業者などにHACCP導入の「義務化」を検討する「食品衛生管理の国際標準化に関する検討会」を立ち上げた。
HACCPとは、Hazard Analysis and Critical Control Pointの略で、原材料の入荷から出荷までの工程ごとに微生物による汚染、金属の混入などの危害を予測したうえで、危害の防止につながるとくに重要な工程を継続的に監視・記録する工程管理の手法である。
1960年代に米国で宇宙食の安全確保のために構築されたHACCPは、FDA(米国食品医薬品局)が食品分野に普及させ、現在ではISO 22000など国際的な食品安全基準のベースとなっている。また、93年にコーデックス委員会がHACCP 適用のためのガイドラインを作成し、コーデックス規格の食品衛生の一般原則及び付属文書としたことにより、WTO加盟国は食品の規格を設定する際に考慮に入れることが求められている。
さらに輸出増大という点から見れば、海外各国におけるHACCP義務化への対応が不可欠になっている。米国では2011年1月設立の食品安全強化法で、米国内で消費される食品を製造・加工・包装・保管するすべての施設について、(1)FDAへの登録とその更新、(2)HACCPの概念を取り入れた措置の計画・実行を義務とした。EUでは04年より一次生産を除くすべての食品の生産・加工・流通事業者にHACCPの概念を取り入れた衛生管理を義務づけている(ただし、中小企業や地域における伝統的な製法などに対しては、弾力的運用が認められる)。
米国の食品安全強化法の(2)に関しては16年9月19日から適用が始まるため、輸出を考えている事業者(農業者等の行なうFDAの定める低リスクの簡易加工を除く)は対応が必要となる。

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