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(3)貸倒引当金――事業所得を生ずべき事業を営む青色申告者で、その事業の遂行上生じた売掛金、貸付金などの貸金の貸倒れによる損失の見込額として、年末における貸金の帳簿価額の合計額の5.5%以下の金額を貸倒引当金勘定へ繰り入れたときは、その金額を必要経費として計上できる。また、貸金のうち、貸倒れその他これに類する一定の事由による損失の見込額については、それぞれの事由に応じた限度額までを、貸倒引当金勘定に繰り入れることができる(個別評価)。
(4)純損失の繰越しと繰戻し――事業所得などに損失(赤字)の金額がある場合で、損益通算の規定を適用してもなお控除しきれない部分の金額(純損失の金額)が生じたときには、その損失額を翌年以後3年間にわたって繰り越して、各年分の所得金額から控除する。前年も青色申告をしている場合は、純損失の繰越しに代えて、その損失額を生じた年の前年に繰り戻して、前年分の所得税の還付を受けることもできる。
【経費の計上漏れを防ぐ】
ご自分の事業に要した支出を正しく把握し、所得計算上経費として計上することが大切です。例えば、農家と消費者の交流会への参加費・交通費など、農業関連の会合や会食での出費は「交際費」「研修費」「旅費交通費」として経費に計上できます。また、自宅に業務スペースがある場合には、当該業務スペースに関する経費(持家の減価償却費、借家の家賃、水道光熱費ほか)についても経費計上できます。
【固定資産に関する税務上の特典】
機械・装置、コンピューター、高額なソフトウェア、普通貨物自動車等を対象に、7%の税額控除または30%の特別償却を受けることができます(中小企業投資促進税制)。また、旧モデルと比べて、年平均1%以上生産性を向上させるなど、一定の要件に該当する生産性向上設備を取得する場合は、特別償却割合の上乗せ(即時償却)、税額控除割合の上乗せ等の優遇措置があります。
【従業員の昇給や増員に係る税額控除】
従業員の昇給を実施した場合、ないし従業員の採用を予定している場合、以下の税制を活用することにより、国に支払う税額を減額し、事業に使用できる資金をねん出することが可能になります。
(1)所得拡大促進税制――2018年3月31日までの期間内に開始する各事業年度(個人事業主の場合は、18年12月31日までの各年)において、国内雇用者に対して給与等を支給し、給与所得拡大に係る一定の要件を満たした場合、雇用者給与等支給増加額の10%の税額控除ができる制度(ただし、控除できる税額には上限が定められている)。
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矢萩大輔 ヤハギダイスケ
(有)人事・労務
代表取締役
大手ゼネコン勤務後、1995年に社会保険労務士として都内最年少で開業。起業支援ポータルサイト「ドリームゲート」アドバイザーとして新規就農にも相談に乗っている。農業を通したリーダーシップ研修の場として自社農園「アルパカファーム」を運営。八戸農業ビジネスナイトセミナーや、FM東京「あぐりずむ」の出演プロデュースなども。著書『脱家族経営!若者に魅力ある農業経営のレシピを教えます。』ほか。
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