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トウモロコシのはなし

トウモロコシの主な害虫

虫害によるリスク

ゴールデンウィークを過ぎると、トウモロコシの播種作業を済ませたところも出てくるだろう。芽が出るころから悩まされるのが虫害だ。10年前には、世界のトウモロコシの減収のうち、15%は虫害によるものだとされていた。海外では害虫抵抗性を組み込んだGMトウモロコシがここ15年ほどで大きくシェアを伸ばしたこともあり、以前に比べると虫害が原因となるロスは大幅に減ったと言われている。
虫害は単に収量が減るだけでなく、収穫できても食品にする場合、加工に支障を来すという点でも問題になる。また、虫が食べたところからカビが侵入、増殖し、カビ毒リスクが高まることも知られている。
国内でトウモロコシの害虫としてよく見られるのは、メイガ類、ヨトウ類、アブラムシ類などである。

●メイガ類
世界的に種類が多く、また被害も多いのがアワノメイガである。日本ではとくにアジアアワノメイガの被害が多いと言われている。先に述べたGMトウモロコシはセイヨウアワノメイガ(写真1)に耐性があるが、言わずもがな日本はGMOを商業的に栽培するのは現実的ではない。
メイガ類は春から秋にかけて2~3回発生する。北海道、東北では2回、関東以南では3回以上の発生が確認されている。
加害植物の中で越冬し、春になると蛹化して羽化する。羽化後まもなく葉の裏に産み付けられた卵から黄白色の幼虫が孵化し、トウモロコシのほとんどの部位を食害する。茎や子実の中に潜り込むと、とくに被害が大きくなる。雄花、雌花がやられると枯死したり、子実が無事でも貧弱なものになったりする。
茎や子実の中に潜り込まれると防除の効果が期待できないため、薬剤散布は雄穂が見え出したころに行なうのが有効である。また、植物の中への侵入を許した場合には、被害株ごと切り取って焼却することが被害を最小限に抑える方法である。

●ヨトウ類
アワヨトウ(写真2)、イネヨトウ(九州での被害が多い)、ショウブヨトウ(北海道、東北での被害が多い)などがトウモロコシを食害する。ここでは分布が広く、被害も大きいアワヨトウを紹介する。

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