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今年の市場相場を読む

今年の売れ筋期待が高い野菜類 ズッキーニ/ミニトマト/ブロッコリー/パプリカ

スーパーや生協などのバイヤーたちは、年頭にあたってどんな品目を「売れ筋商品」として期待するのだろう。生産者や市場など流通業者にとっても、どんな品目や品種が売れるのかという問題は、天候のみならず、経済情勢やトレンドなどによって大きく影響を受ける部門の大きな課題だ。青果物の「売れ筋期待値ランキング」は毎年、日本農業新聞によってアンケート調査されている。小売のバイヤーが期待するのは、消費者ニーズがありそうと判断しているからだが、実際の生産・流通はどうなっているのか。「売れ筋期待」される品目は、この10年間でどんな流通変化を見せたのか探ってみよう。

ズッキーニ
10年で3倍弱もの伸長。すでに地方にも浸透し普及を待つ

【概況】
東京市場への入荷は、この10年で2.7倍に急増。単価は460~470円とほぼ変わらない。バイヤーたちの強い引きがうかがえる。主産地は秋から冬場の宮崎、夏場を担当するのが長野。関東では群馬の伸びが目立つが、日向カボチャの産地だった宮崎がこの10年、30%以上のシェアを持っているのはさすがだ。輸入も冬場に少しあり、中心産地は日本より20年は早く普及した韓国である。
【背景】
「期待値ランキング」4位だが、1位の高糖度トマト、2位スナップエンドウ、3位ベニハルカとも個別の統計がないので、ズッキーニを最初に持ってきた。ズッキーニは、いつの間にか消費が増えて固定需要となった。その不思議な現象はゴーヤーとよく比較される。キュウリやナスに似た外見だが、実際はカボチャの仲間という意外性だけでなく、すでにイタリアンなどでは必需野菜で、使ってみると和洋中何にでも合う。
【今後の対応】
外国や外食で経験して、癖のない応用範囲が広い食材だと知り、家庭で再現され普及した、という感がある。イタリアではピッツァに、韓国では汁物によく使われる。日本では天ぷらにするのが簡単でおいしい。地場生産されていた地域も多く、消費地の小売店より、地方の直売所などで販売するほうが早かった感じがする。全国ほとんどの地域で生産され、中央にも出荷するようになってきた。やはり今年の売れ筋野菜だ。

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