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編集長インタビュー

プレミアム新時代 コミュニケーションが付加価値をつくりだす


土壌バランスまで
体で感じ取れる消費者

昆 いまおっしゃった土壌のバランスの話をしますと、戦後の日本では、農地のリン酸が欠乏しているから作物ができない、リン酸を与えろという指導がされてきました。しかしいまは、土壌がリン酸も窒素も過剰になっているハウスがたくさんあります。そうしたハウスで栽培された野菜が日照や温度条件によって硝酸濃度が高くなり、当然、苦くておいしくありません。
福島 土壌のバランスが乱れているというのはおっしゃるとおりです。現代は、お客様が自分で情報を集めることができるように見えますが、じつはご存じないことが多い。ですから、私たちは土壌のバランスなどの話もお伝えしていかなければならないと思っています。
昆 逆に、バランスの取れた土壌でできたものはおいしいですよね。いま、土壌がおかしくなってきたことを、体の反応で感じるような人たちが出てきたのではないでしょうか。
福島 それはすごく感じています。お客様は生まれ持った感覚や感性を備えています。そういった感覚や感性に私たちはアクセスできると思っています。おいしさについて議論すると、五感とか、味覚とか、舌の味を感じる場所とかいう話も出ますが、それとは違うものです。
昆 改めて本来あるべき姿を求めることを豊かだと感じるようになったのですね。そのことを貴社の店舗でも示していらっしゃるのだと思うのですが。
福島 そうですね。さらに、加工食品の場合、添加物の問題も加わります。土壌にとって窒素やリン酸が過多だというのと同じように、添加物が入れば、やはりバランスが崩れリズムがおかしくなります。いまそういった商品がマーケットのほとんどを構成しています。蕎麦の例のように、生産者の方々と、わからないから聞かせてよ、聞いてよということを繰り返しながら、もっと生産者の方々やメーカーの方々と理解しあって波長を合わせてロジスティクスをつくっていけばいいのですが、いまはそれがなかなかできません。たとえば、完熟ミカンのジュースをつくるとすると、工場で加熱殺菌して、保存して、ボトリングするときにまた加熱殺菌しますから、みんな同じような味になってしまいます。味に個性を出すために、私たちはお客様が口にするタイミングに近い店内で加工する方法を採っています。
昆 お弁当やお総菜も店内で加工していますね。
福島 そうです。ただし、私たちはお客様が家庭で料理して食べていただくのが一番だと考えていますから、店内のお弁当やお総菜はテイスティングマーケットという位置づけにしています。あくまで味見ですよ、おいしかったらお米を買ってください、お肉を買ってくださいと。おおげさに言えば、朝、昼、晩、おいしい食事を摂るという生活を整えられるかどうかは、お客様自身が人生をディレクションできるかどうかだと思います。子供を設けて年を重ねていく、服をコーディネートする、本を読むという時間の使い方をするのと同じように、自分で環境をつくっていかないと、おいしいものというのはなかなか手に入りません。改めて朝ごはんを幸せな気分で食べられるということが人生の一部だと感じる、そういうことを求めるお客様がおいしいものを快適な空間で手に入れられる場を私たちは提供していきたいと考えています。お客様の快適で豊かな生活を、生産者の方々と一緒に支えていきたいと思っています。

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