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アルパカファームの経営・労務事件簿

障害者とともに働く



【就労継続支援A型とは】

前述の就労支援事業は大きく3つに分けられます(図1)。今回は就労継続支援A型事業所について見ていきましょう。
就労継続支援A型事業所は、企業への就職が困難な障害者に就労機会を提供するとともに、生産活動を通じて、その知識と能力の向上に必要な訓練などの障害福祉サービスを供給することを目的としています。障害者と雇用契約を結び、原則として最低賃金を保障する仕組みの「雇用型」の障害福祉サービスです。
したがって、利用者は施設に利用料を支払い、施設から給与も支払われるという特殊なシステムが現在の就労継続支援事業所A型の制度となっています。

【健常者だけが戦力ではない】

障害者というカテゴリーにこだわっていると、これからの時代、企業にとって損失になってしまうかもしれません。障害者個々の特性に合わせた適材適所のマネジメントができれば、通常の労働者と変わらない成果を上げていくはずです。
このことは、障害者を戦力として雇用している農業経営者の方々の数々の事例が実証しています。とくに、農業の6次産業化に伴う事業拡大を狙う農業経営者の方々が雇用拡大によって障害のある方々の活躍の場を作ることは、社会的にも意義があることでしょう。

【農福連携と行政支援策】

行政機関はさまざまな障害者雇用の支援策を実施しています。ここでは主だった支援策を紹介していきましょう。障害者の雇用前の職場実習や雇用にあたり、まず活用できるのがハローワーク。就職を希望している障害者の多くがハローワークに求職登録をし、障害者専門の職業相談・職業紹介窓口(専門援助部門)があるからです。
また、障害者トライアル雇用助成金をはじめ、多様な助成金があり、なかには設備関連のものもあります(図2)。そして雇用中もジョブコーチ制度※をはじめとした障害者雇用の専門家の活用もできます。

【農福連携の社会的要請】

将来、我が国の人口減少と高齢化、潜在的な障害者数の増加や障害者雇用促進法の改正による障害者法定雇用率の引き上げといった農業と福祉を取り巻く環境を考えると、国の支援策の拡充も予想され、農業と福祉の連携は一層強化されていくでしょう。そして、このことは我が国の人口の首都圏一極集中による地方人口の減少の歯止めとなる新たな地方活性化の基軸のひとつになる可能性があります。

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