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北海道長沼発ヒール・ミヤイの憎まれ口通信

忘年会で言い忘れたこと、書きます

1時間経っても電話が来ないので、3回目の電話をしたが、やはり母親が電話に出て「多分パチンコに行きました」と言ったので、さすがの私もカチンと来て「今日中に電話をするように」と伝えたが、やはり電話が来なかった。

翌朝、私は彼に「どうして電話をしなかったのだ?」と聞いたが「聞いていません」と珍回答をした。

数日が経ち、また連絡することがあったが、今度は前回と同じことになるのを避けるためFAXで連絡をすることにした。用紙に連絡事項を書き、電話番号と同じ番号のFAX番号を押したところ、あの母親が受話器を取ってしまい、FAXを受信できなくしてしまった。そこで2回目は彼の母親に電話をして「FAXを送りますので受話器を取らないでくださいね」と丁寧に伝えた。3回目のFAXを送ると「もしもし」とスーパー勘違いカアチャンの声が聞こえてきた。私は電話を取った母親にこう言った。「電話番号とFAX番号を別々にしてください」。もちろん釈迦に念仏と同じで、激貧農家に日本語は通じないことは分かっていたが。

翌朝、彼に電話を取るつもりがなければ、せめて留守番電話にしてくれを伝えたが、「金がない」と一番的確な回答を頂いた。やはり、トラブルを避けるためにも番号は別々にすべきだろう。2回線を買わなくても月額700円で利用できる二重番号にするとか、ISDN回線にすべきであろう。現在では携帯電話が普及しているのでこのようなトンチンカンな会話もないと思われるが、そうとも言い切れない。彼の様なコミュニケーション欠落者、時間のメリハリ、コントロールができない日本人は決して数が減っているわけではない。それを物語っていることがあった。主人公はやはり先ほどの彼だ。人柄は良いが、イマイチ君の彼の待遇を考えていたところ、十勝の小麦農家から人材ヘルプ要請があり、小麦収穫シーズンまで1カ月あったので、彼を紹介した。賃金は直接相手からもらうこと、2週間の泊まり込みになるので食事や宿泊、保険関係を事前に決めて、万全の状態で送り出す用意はできた。

出発前日になって、決められた賃金は安いので、行きたくないと言い出した。相手との約束を破るわけにもいかないので、日給で1000円を長沼に帰ってきた時に追加支払う約束をして、翌日送り出した。

十勝でも彼の仕事ぶりは十分に相手先から評価をもらい、彼が戻ると約束の追加賃金を支払った。そして夏が終わり、稲刈りシーズンになると、実家のコメの収穫を始めるために、私の農場を去ることになった……。ここまでの話だと、めでたしめでたしなのだが、およそ5年が経ったころ、派遣先だった十勝の農家と彼の話題になった。驚きの事実が判明したのだ! 十勝の農家によると彼が仕事を終え長沼に帰る時に「こんな金額では困る」と言い出したので、日給で1000円余分に彼に支払ったと打ち明けた。

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