ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

土門「辛」聞

性急すぎた規制改革会議の結論 代替案を示さず指定団体制度を廃止

規制改革会議・農業ワーキング・グループ(WG)が仕掛けた指定生乳生産者団体制度(指定団体制度)の廃止論議が、いまひとつ理解できない。端緒はバター不足だった。制度廃止でその問題が解決するとは思えないからだ。
指定団体制度についておさらいをしておこう。一般社団法人日本乳業協会のホームページに掲載してあった説明文を借用してみる。
「酪農生産者の多くは、農協などの組合組織に属し、農協は都道府県単位で農協連合会等を形成しています。この連合会がさらに、全国10のブロック、北海道、東北、北陸、関東、東海、近畿、中国、四国、九州、沖縄でブロック団体を形成しています。この10団体は『加工原料乳生産者補給金等暫定措置法』に基づき、農林水産大臣または知事から『指定生乳生産者団体』として法的に指定を受けています。乳業メーカーは、この指定団体と生乳の取引を行っています。また、この指定団体に属さない生産者もあり、乳業メーカーとの直接取引も行いますが、国による酪農補助政策等の援助を受けることはできません」
この説明を読んで脳裏をよぎったのは、集乳イコール協同組合組織なら、競争原理が働きにくいという点だった。現実に96%の酪農家は、その協同組合組織に加入。これをインサイダーと呼ぶ。残り4%の酪農家は、協同組合組織に加入せず独立して活動するが、前者との対比でアウトサイダーと呼ぶ。
協同組合組織への加入が前提のようになっているのは、酪農の特殊性に起因する。議論のきっかけとなった2015年9月11日の第25回農業WGの議論も、そのイロハの説明から始まった。農水省生産局牛乳乳製品課の森繁樹課長が次のように説明していた(発言要約)。
生乳は腐りやすくて、なかなか貯蔵するのは難しいという商品特性があるので、酪農家としては、搾った生乳をすぐ乳業メーカーに引き取ってもらわなければならない。乳価の交渉をするうえでも、非常に弱い立場に置かれている。実際に昭和30年代に酪農家と乳業メーカーとの紛争などもかなり多発したことを背景に、今の仕組みが作られた。
すなわち、酪農家は生乳を農協である指定団体に集め、団体での価格交渉を通して、指定団体が価格交渉力を強化して、乳業メーカーと対等に交渉していく。

関連記事

powered by weblio