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今年の市場相場を読む

記念日を設けた野菜類その後 キュウリ/ゴーヤー/ナス類/スイカ類

マーケティングでは、いわゆる「物日」に焦点を当てて売り出す手法が定着している。成功した典型的な事例はバレンタインデーや母の日。最近は物日を作り出して需要を創出するといった傾向が強い。恵方巻はスーパーの仕掛けだし、ハロウィーンも誰かが持ち込んで仕掛けたものだろう。青果物でも物日作りが盛んで、由来などにちなむというよりは「おやじギャグ」のノリで語呂合わせのものが多いため、必ずしも生産のピークや季節感に合わない。しかし、あえて「○○の日」を設定するからには、消費促進といった産地側の思惑がある。いくつか○○の日を設定している品目のこの10年を見てみよう。

キュウリ
4.19「いいキュウリの日」。荷受けを窓口に小売店と連携も

【概況】
東京市場へのキュウリの入荷は、過去10年で、6%ほど減ったものの単価は36%も高くなっている。入荷が減少しているといっても、わずか6%程度にとどまっているのは、やはり06年から全農福島が始め、08年には東北6県がすべて参加するようになった「キュウリビズ」のイベントを継続しているからか。一時、夏の主産地である福島が、原発事故絡みでダメージを受けたが、福島は10年前同様の数量を出荷している。
【背景】
そんなキュウリの「いいキュウリの日」が4月19日と決まった。4月といえば、ちょうど西ものから関東~東北産に切り替わる時期で、冬場の西の産地からは不満が出てきそうだが、これを機に毎月19日を「キュウリの日」に定めることになった。今年の第1回キュウリの日には、関東の主産地群馬や、最後の商品だろうが高知産も参加している。そのつど、荷受け会社が窓口となって、キュウリ産地を順繰りに小売店に紹介する形を取っていく予定だ。
【今後の対応】
最近では、キュウリの物日といえば、恵方巻の需要が生まれているくらいだが、主婦たちは「キュウリは栄養素がない」と、単品としてはあまり興味を寄せない。ただ、キュウリビズで定着しつつある、冷やしたキュウリに味噌をつけて丸かじりするという、昔ながらの食文化にはやや盛り上がりがある。キュウリ消費そのものより、毎月19日に卸売会社が小売店と連携して、特定の産地のキュウリを売るという試みは面白くて期待できる。

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