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独断注目商品REVIEW

疫病・べと病用殺菌剤ゾーベックエニケード


この薬剤は、こうした特性もさることながら、ラベルにFRAC番号を記載したことが注目に値する。デュポンによると、国内の農薬会社でこの対応を図ったのは今回のゾーベックエニケードが一番最初だと思われるという。
FRACとはFungicide Resistance Action Committeeの略称で、世界の代表的な農業化学品製造会社はFRACという団体を設立し、耐性菌の発生情報やモニタリング方法、使用ガイドラインなどを提供している。そのなかに世界のほぼすべての殺菌剤を作用機構別に分類したFRAC CODE LIST(FRACコード表)というものがある。日本にもJapan FRACという支部があり、このFRACコード表より国内で使用されている殺菌剤を抜粋、改変したものを公開している(http://www.jfrac.com/)。
薬剤は交差耐性のあるグループに分類されており、系統ごとに固有のFRACコード(番号、記号)が指定されている。FRACコードが同じであれば交差する可能性があるが、異なれば交差しない。薬剤間の交差関係を簡単に判別できるため、体系防除や輪番使用の際の薬剤選定にあたって有用になる。
では、実際の防除でどうすべきか。デュポンによると、耐性菌管理を上手に行なうということは現実的に薬剤そのものを上手に効果的に使うこととかなり似ており、耐性菌管理をすれば防除もうまくいくのだという。反対に、防除をうまくやろうとすれば耐性菌管理をうまくやるというふうに相互の関係があると説明している。
以下は、ゾーベックエニケードにも絡んだ適正な薬剤の使用法になる。

(1)ラベルどおりに使う。とくに薬量は多くても少なくても良くなく、5000倍(登録は適用作物で一律)を守る。
(2)散布間隔は7~10日を守り、前後に必ず作用機構の異なる化合物を順番に使う。
(3)殺菌剤は耐性菌管理に関係なく、予防的に使うのが間違いなく一番効果が高い。ゾーベックエニケードは生育前半で予防的に用いる。

耐性菌管理はメーカー希望のような聞こえがあるが、薬剤を長く上手に使うことは生産者にも利益がある。 (永井佳史)

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