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【今月の数字】
7.5施設(1JA当たりの青果物集出荷施設数)
- (株)結アソシエイト 代表取締役 松田恭子
- 第144回 2016年07月06日
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ドラッガーは、「企業の使命は顧客の創造である」とし、そのために必要なのは「マーケティング」と「イノベーション」であると言っている。その他の機能はすべてコストに過ぎないと断定している。「マーケティング」と「イノベーション」は、どちらも現在の日本農業の課題を語る際に頻繁に出てくる。なぜ、この2つの概念が並んでいるのだろうか? 言葉遊びでもなく、コンサルティングの新手のツールでもない。事業家に携わる人こそ、深く考えさせられる言葉ではないだろうか。
生産者がマーケットに携わるべきとされた狭義の6次産業化は、生産者が自ら加工し販売することを指していた(いまでは商工業者との連携や地域ぐるみの取り組みが重視されているため、狭義の定義だけでは当てはまらないが)。6次産業化では「マーケットイン」の重要性が叫ばれたが、情報社会で「成功事例」が瞬時に広まると、世の中は似たり寄ったりの6次化加工品であふれることになった。顧客を向いているというより、先を走る競合を見ているに過ぎず、技術革新のないなかで、後続商品によりあっという間に陳腐化した商品も多い。他方、最新の植物工場や食品技術で生産された高価格商品や新奇商品が苦戦し、事業が継続できない例もある。こちらは「イノベーション」として新技術は投入されたものの、顧客にとっては価格相応の価値が認められなかった。
生産者がマーケットに携わるべきとされた狭義の6次産業化は、生産者が自ら加工し販売することを指していた(いまでは商工業者との連携や地域ぐるみの取り組みが重視されているため、狭義の定義だけでは当てはまらないが)。6次産業化では「マーケットイン」の重要性が叫ばれたが、情報社会で「成功事例」が瞬時に広まると、世の中は似たり寄ったりの6次化加工品であふれることになった。顧客を向いているというより、先を走る競合を見ているに過ぎず、技術革新のないなかで、後続商品によりあっという間に陳腐化した商品も多い。他方、最新の植物工場や食品技術で生産された高価格商品や新奇商品が苦戦し、事業が継続できない例もある。こちらは「イノベーション」として新技術は投入されたものの、顧客にとっては価格相応の価値が認められなかった。
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松田恭子 マツダキョウコ
(株)結アソシエイト
代表取締役
日本能率協会総合研究所で公共系地域計画コンサルタントとして10年間勤務後、東京農業大学国際食糧情報学科助手を経て農業コンサルタントとして独立。実需者と生産者の連携の仕組みづくりや産地ブランド戦略を支援している。日本政策金融公庫農業経営上級アドバイザー試験合格者。(株)結アソシエイト代表取締役。
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