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【土と施肥の基礎知識】
土の水はけと水もち
- 東京農業大学 名誉教授 全国土の会 会長 後藤逸男
- 第7回 2016年07月06日
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よい土とは、「物理性・化学性・生物性が整った三位一体の土」と表現されることが多い。そこで、今回から土の物理性・化学性・生物性について解説しよう。それらのなかでは物理性が最も大切で、土の物理性のよい土とは、水はけと水もちのよい土である。
砂の多い土は水はけがよく、粘土の多い土は水もちがよいので、砂と粘土が適度に混ざった土が最善である。砂と粘土をほどほどに含んだ土を壌土(じょうど)、砂が多い土を砂土(さど)、逆に粘土が多い土を埴土(しょくど)という。これらの砂土・壌土・埴土は土性と呼ばれ、土壌中に含まれる砂と粘土の割合によって分類される。土性とは、まさに土の性質を大きく支配する性質という意味である。
この土性を判定するには、湿らせた少量の土を親指と人差し指の間でこねてみる方法がある。ザラザラであれば砂土(S)、ツルツルであれば埴土(C)、その中間のツルザラであれば壌土(L)ということになる。ちなみに、ほとんどザラザラであるが、少しツルツルを感じるチョイツルを砂壌土(SL)、逆にほとんどツルツルだが少しだけザラつくチョイザラを埴壌土(CL)という(表1)。
土壌学では砂と粘土含有量により12の土性に区分されるが、現場での土性判定には上記のような3区分、あるいは5区分で十分だ。
2.すき間の大きさで
砂が多いと水はけがよく、粘土が多いと水もちがよいのはなぜだろうか。砂の粒子は直径0.002~0.2mmと大きく、粘土の粒径はそれより小さい。そのために砂が多い土では、砂粒子の間にできるすき間が広くなる。一方、粒径の小さな粘土では狭いすき間となる。このような土のなかにできるすき間の大きさが違うことにより、水はけと水もちが決まる。
この土性を判定するには、湿らせた少量の土を親指と人差し指の間でこねてみる方法がある。ザラザラであれば砂土(S)、ツルツルであれば埴土(C)、その中間のツルザラであれば壌土(L)ということになる。ちなみに、ほとんどザラザラであるが、少しツルツルを感じるチョイツルを砂壌土(SL)、逆にほとんどツルツルだが少しだけザラつくチョイザラを埴壌土(CL)という(表1)。
土壌学では砂と粘土含有量により12の土性に区分されるが、現場での土性判定には上記のような3区分、あるいは5区分で十分だ。
2.すき間の大きさで
水はけと水もちが決まる
砂が多いと水はけがよく、粘土が多いと水もちがよいのはなぜだろうか。砂の粒子は直径0.002~0.2mmと大きく、粘土の粒径はそれより小さい。そのために砂が多い土では、砂粒子の間にできるすき間が広くなる。一方、粒径の小さな粘土では狭いすき間となる。このような土のなかにできるすき間の大きさが違うことにより、水はけと水もちが決まる。
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後藤逸男 ゴトウイツオ
東京農業大学 名誉教授
全国土の会 会長
1950年生まれ。東京農業大学大学院修士課程を修了後、同大学の助手を経て95年より教授に就任し、2015年3月まで教鞭を執る。土壌学および肥料学を専門分野とし、農業生産現場に密着した実践的土壌学を目指す。89年に農家のための土と肥料の研究会「全国土の会」を立ち上げ、野菜・花き生産地の土壌診断と施肥改善対策の普及に尽力し続けている。現在は東京農業大学名誉教授、 全国土の会会長。
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