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藤田 法人の形態、何がいいのか、よくわからなくて、話が進まないんですよね。
伝法院 では、まずはその法人形態の説明からさせていただきますね。
【こんな相談も】
先日、九州で農業を営む30代前半の兄弟から、農地所有適格法人(元農業生産法人)の設立に関するご相談をいただきました。この兄弟は、ジャガイモやサツマイモの生産だけでなく、地元の若手農業経営者とともに、一般の仲卸を取引先とした出荷体制を整え、共同で倉庫も保有しています。
「これからの時代、いくら良いものを生産していても、それだけではだめで、ちゃんと“良いものだ”と認識して広めてくれる、例えば卸業や運送業の人たちと一緒に組んでやっていかないとだめだと思うんです」と語るのは、農業歴14年のお兄さん。
「僕らは、兄弟でも、友だちでも、別々の事業体で農業をやっていますけど、めざしているところは似ているのかなと。もちろん、すべて重なるわけじゃないですけど、欲しい!と思ってもらえるところに野菜を出荷したいという気持ちは一緒なんです」と、4年前に新規就農した弟さん。
この思いを経営に落とし込むために、出資者がみんな経営者として組織の運営にかかわることができるLLC(合同会社)という形態での法人化を進めることになりました。
今回の執筆者:瀬戸山匠(せとやま・たくみ)
(有)人事・労務
小商いプロデューサー
(一社)日本ES開発協会事業開発室長、われらまちの農縁団
地域活性化マルシェの企画・運営を統括。「人に地域に環境にやさしい持続可能な社会を目指して」がテーマの、グリーン企業が集まる勤労感謝イベントや、「日本の未来のはたらくを考える」というテーマで日光街道143kmを踏破するイベントを開催。(有)人事・労務の農園アルパカファーム(埼玉県春日部市)の園長でもある。
「共感」に基づいた農業コミュニティ
最近、農業経営者の方々から、新しいコミュニティをつくりたいという相談を受ける機会があります。若手の農業経営者を中心に、これまでの血縁による家業や地域の習慣による集まりとは違う、「共感」をベースにした組織をつくりたい。こうした変化に伴い、組織の形態も、これまでの個人事業や株式会社だけではなく、新たなかかわり方をする人が増えてきました。今回は、その主な形態を4つ紹介します。
【一般社団法人】最大の特徴は、申請から設立までのスピードです。最短で約2週間という早さと、利潤追求型だと思われにくいという強みがあります。例えば、弊社を母体とする日本ES開発協会は、約8年前から「日本の未来のはたらくを考える」というテーマで活動を始めました。一昨年に一社として法人化し、信頼性という面で行政との付き合い方に変化があるなどのメリットを感じています。設立の資金もほかの法人に比べ比較的安価であることや、時間の経過と活動の実績次第で、非営利型あるいは公益社団法人へと形を変えられる柔軟性も、一社を選択する組織が増えている理由です。
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矢萩大輔 ヤハギダイスケ
(有)人事・労務
代表取締役
大手ゼネコン勤務後、1995年に社会保険労務士として都内最年少で開業。起業支援ポータルサイト「ドリームゲート」アドバイザーとして新規就農にも相談に乗っている。農業を通したリーダーシップ研修の場として自社農園「アルパカファーム」を運営。八戸農業ビジネスナイトセミナーや、FM東京「あぐりずむ」の出演プロデュースなども。著書『脱家族経営!若者に魅力ある農業経営のレシピを教えます。』ほか。
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