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今年の市場相場を読む

産地間で需給調整しているはずの野菜類 キャベツ/レタス類/ピーマン/メロン類

産地間競争から産地間協調への転換期だといわれるが、すでに1980年から、キャベツ・秋冬ダイコン・秋冬ハクサイ・タマネギの4品目を野菜需給安定基金などの制度でバックアップしながら、産地間協調をやってきた。しかし、早出し出荷やブランド化などの産地間競争は相変わらずで、安定供給より自産地の有利販売に固執してきた。豊凶や災害などで、必ずしも計画どおりに対応できないのも野菜という商品の宿命。いたずらに有利販売だけを追求していると、輸入野菜が増えてしまう。産地間協調はこの10年でどんな結果や経緯を示したか、いくつかの品目で検証してみよう。

キャベツ
冬期に品薄高騰も。加工業務向けには周年供給契約を

【概況】
東京市場へのキャベツ類入荷を過去10年間で比較すると、数量で1割強増加、単価で2割弱高くなった。卸売市場において最も入荷数量が多いのがキャベツであるが、ほとんどが露地栽培されているため、天候の被害を最も受けやすい野菜だともいえる。業務用・家庭用ともに必需的野菜なだけに大型産地が多いし、中小産地もたくさんある。それだけ補完産地がありながら冬期には頻繁に品薄となる年が珍しくない。
【背景】
1980年に制定された重要野菜需給調整特別事業では、キャベツをはじめ入荷量のトップ4が対象となった。それだけ国民の食生活に必要な野菜だという判断なのだが、いまとなってはダイコン・ハクサイは需給調整特別事業をするほどの品目ではなくなっている。キャベツについては、まだ調整が必要なのは、とくに冬期に内地物が不作のとき。北海道などから緊急出荷されることも多い。また、毎年3万~5万t輸入されている。
【今後の対応】
ちょうど2005年は年初めから春にかけて入荷が少なく、10年は供給が安定していた。この時期に入荷が減るとキロ140円近くまで高騰し、関東産が出てくる4月まで騒動となる。この時期の高騰は、カット野菜など加工業務用の最も大きな食材で、数量調達が何よりも優先される。対策としては、広島お好み焼きを県産キャベツで周年供給するとか、特定需要者に対して周年供給できる産地を開発している全農の動きなどが目立ったところだ。

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