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今年の市場相場を読む

産地間で需給調整しているはずの野菜類 キャベツ/レタス類/ピーマン/メロン類


レタス類
いまや重要野菜のひとつ。リスクヘッジして国産を年間供給

【概況】
東京市場をこの10年で対比すると、数量は微増のほぼ横ばい。単価は47%も高くなっている。05年は少し特殊な年で、入荷量は多めで推移し暴落気味だった。逆に15年はそれほどの減少ではないものの、高騰気味で推移している。いまやレタスは、かつてのダイコン・ハクサイに代わる重要野菜。カット野菜などの業務用で、欠かせない品目だ。とくに春先までの冬レタスが全体的に不足。台湾に専用産地ができた。
【背景】
カット業者にとってレタスはキャベツと同量くらい必要だ。キャベツは中国産でも韓国産でも使えるが、輸入物のレタスはなかなか国産の代替にならない。九州・四国などで冬春レタスの生産が安定せず、手のかからないブロッコリーなどに転換してしまう産地も。そのため冬春期のレタス契約を複数産地と交わし、リスクを回避する加工業者もいる。また、大手カットレタス業者などは、日本の農家に指導させて台湾に契約産地を作っている。
【今後の対応】
全農はレタスの産地協議会を作って、大口需要者には周年切れ目なく供給できるよう指導しはじめた。レタスは輸入量1万1000t弱のうち、米国から3200t程度輸入している。台湾のレタスは日本種だが、米国産はクリスピーといわれるくらいパリパリして日本の消費者には合わない。レタスくらいすべて国産供給が可能なのに、輸入が入り込むのは、レタス協議会などの指導力と需給調整力が弱いからだ。冬春産地の健闘を期待する。

ピーマン
大分が西日本1位の夏秋産地に。産地協働で消費減阻止

【概況】
東京市場へのピーマン入荷は、この10年対比で入荷量が12%程度減り、価格は5割近く高くなっている。宮崎や鹿児島・高知などの冬春期産地の単価が高い。東京市場で5割前後のシェアを持つトップ茨城は、春夏期が中心で出荷数量も多く、単価も安い。近年では大分が、900m以上の高冷地で生産し、西日本最大の夏秋ピーマン産地にまで成長した。代表的な冬春産地の宮崎の隣県との連携が期待されるところ。
【背景】
宮崎ピーマンは原油高騰時に重量変更したり、緑の怪獣「グリーンザウルス」キャラをつくった。ビタミンCが他産地より1.4倍以上のものだけに「みやざき健康ピーマン」表示。率先してさまざまな商品差別化にチャレンジしてきた。もともと宮崎ブランドはすべての出荷物に残留農薬検査を実施していて先進性がある。しかしこの10年を対比すると、単価が上がり、1割以上の入荷減となっている。差別化がどこまで必要なのだろう。

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