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北海道馬鈴薯でん粉物語

トラクター営農時代を迎えての馬鈴薯栽培に関する農業機械の開発改良技術 茎葉処理機

我が国は高温多湿の環境にあって、病害虫の発生が多い。昭和10年(1935)ごろから畜力噴霧機が導入され、ようやく防除作業が近代化された。我が国は第二次大戦を終えると、航空機エンジンの技術を活用して、小型の空冷エンジンが開発された。並行して動力ポンプの開発も進み、これを組み合わせた動力防除を行なうようになる。北海道の場合、畑作では畜力噴霧機が普及していたので、これにエンジンとポンプを搭載して防除の高水準化を図った。
昭和33年(1958)に実用機が発表されたが、前の畜力噴霧機に比較し、防除効果が著しく向上したので評判となって普及した(写真1)。その理由は、エンジンと動力ポンプの組み合わせで噴霧圧を20キロに高めることが可能となり、噴霧の粒子が細かくなるばかりでなく、粒速が増し、茎葉の中に進入して表裏に農薬が付着するようになったためである。畜力噴霧機の場合は7キロの圧力が精一杯であり、約3倍の圧力はさらに効果的であった(写真2)。
ポンプの動力源がエンジンになったことにより、馬はそれだけ労働負担を軽減できた。タンク容量を大きくしても、馬の疲労は少なく、作業能率も高まった。この高圧防除は次のトラクター用スプレーヤーにも引き継がれている。欧米のスプレーヤーは5キロ程度の低圧防除であり、20キロの圧力は現在でもナンセンスといわれたりするが、輸入のスプレーヤーが我が国に定着しないのは、低圧散布によって明らかに防除効果が劣ったからである。
ヨーロッパから輸入されているスプレーヤーで比較的評判が良いのはエア・アシストのスプレーヤーである。空気で粒速が加速され、粒子は茎葉の深部にまで到達し、防除効果を高めている。病害虫の発生の少ない地域で発達したスプレーヤーがすべて我が国に普及するとは限らない。この場合、効果は防除期間中に一、二度の調査では結論を得ない。収穫時まで通して調査することによって、効果は判然とするものである。
20キロの圧力が5キロ程度の低圧に優ることは判然としているが、それではもっと高圧にしてみてはどうかも検討すべきとされた。高圧ポンプを取り付けたスプレーヤーをトラクターに取り付けて農家に運び、そのまま農家に置いて1年を通して農家のスプレーヤーの20キロの圧力と、40キロ以上の圧力とを比較することにした。結果は超高圧のスプレーヤーの防除効果が劣った。

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