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また、タンク内に装着する撹拌装置の関係で半パネルくらい減ることも完成してから判明した。多少は余裕を見て設計してあったため、貯蔵に困ることはなかったが、次なるステップを考えてグレイン・ビンをもう1基追加した。いままでの2基分の貯蔵量がある300tだ。
その後、乾燥能力に特化した静岡製機の300石乾燥機も導入したので、施設としては過剰なものとなった。それでも、大豆、ソバ、コーンの同時期収穫に対応できる安心感は大きいと明言できる。
(寄稿/宮井能雅・北海道長沼町)
CASE2 米国製を活用、コメを乾燥貯蔵
★西日本でコメを生産。20年ほど前、米国製の貯蔵乾燥ビン(ドライストア)を直輸入した。低温乾燥機能を重視。購入価格は国内販売の約5分の1。
【低温乾燥可能 価格も大きなメリット】
穀物の乾燥・貯蔵の方法を大別すると二つある。火力による温風で穀物を乾燥させるテンパリング乾燥機を通し、乾燥したものを貯蔵ビンに貯蔵する方法がひとつ。もうひとつは、ビンに穀物を入れ、電気モーターを使った通風装置で風を送り込んで乾燥させ、そのまま貯蔵する方法で、ドライストアと呼ばれる。
購入したのは後者のドライストアで、50tのビン6基と通風装置1基である。この設備を選んだ理由は低温乾燥できることと、安い価格で購入できることだった。
低温乾燥のメリットは、コメの艶が出るということだ。また、低温で乾燥させたほうが、脂肪酸度の数値悪化により食味が落ちるのを遅らせることができる。さらに、高温をかけると発芽率は低下してしまうので、低温のほうが種子の発芽率をより高く保つことができる。もうひとつ、使用してみてわかったことだが、低温だと胴割れの心配が減った。
一般的に毎時0.7%以上のペースで水分を落とすと胴割れが起きると言われているが、誤ってハイペースで乾燥させた場合でも、実際には胴割れを起こさなかった。低温乾燥だともみへの負担が少ないと言えるだろう。
価格面でのメリットも大きかった。当時、国内で販売されていた乾燥・貯蔵設備の約5分の1で購入できた。
米国製のドライストアの仕様は比較的単純である。ビンの下には穀物全体に風が行き渡るように攪拌するマドラーがついているが、その仕組みはタンクの形によって異なる。土地代が高い日本では、国内製は省スペースを考慮した四角いビンが多く、マドラーも複雑な構造をしている。一方、土地代の心配が要らない米国製は丸型のビンが多く、マドラーも時計の針を回転させるような単純な仕組みになっている。
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