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アルパカファームの経営・労務事件簿

つながり豊かな組織の法人設立

今回のキャスト
社長 藤田 匠、
社労士 伝法院 千里
出荷団体設立に奔走する藤田社長。不安に駆られ、伝法院先生を圃場に呼びました。(前号より続く)
伝法院 さっそくですが、相談というのは、先日の出荷団体の設立についてでしょうか?
藤田 お察しのとおりです。出荷団体の組織形態について、結局、社団法人にすることで意見が固まりました。これまでは外部として取引していた運送業者の方や倉庫の持ち主など、団体のメンバーとしてつながることで、新しいアイデアが生み出され、これまでよりも質のいい持続可能な事業ができるのではないかという視点からでした。
伝法院 順調に決まってよかったですね! 農業関連経営者以外の方も一緒に組織を経営するというのは、面白い試みです。運営には「強いつながり=内部の人」と「緩やかなつながり=外部の人」をいかに混在させるかが重要なので、良い視点だと思います。さて、今回はどのような相談でしょうか?
藤田 それが、いまになって冷静によく考えてみると、いろんな種類の人が絡むとなると、いろいろとゴタゴタが起きるんじゃないかなあと、急に不安になってしまいまして。
伝法院 その不安を解消するためにも、組織形態を決めたら、次は創設メンバーの思いを言葉で示したり、コミュニティを運営するルールを整備していく必要がありますね。営利を追求する会社の経営とは違って、今回の出荷団体のように立場や規模の異なるさまざまな人がかかわる組織では、つながりが緩やかだからこそ多くの問題が発生します。
藤田 定款は、アルパカファームを農業生産法人にしたときもつくっていただきましたね。
伝法院 定款も、組織のルールである規約の一部になります。定款は、本当に組織の最低限度のルールを記載しますが、その他にも会員規約や基金規程など、それぞれの組織に合ったルールを自分たちで定めることができます。社会性の高いイノベーションは非営利組織から生まれることが多いんですよ。これからの時代を切り拓くのは、つながりを大切にした組織なのではないでしょうか。質の高い創発を起こすためにも、組織のルールは重要なので、まずは定款や各種の規約など未来からの逆算で考えて決めていくのが良いと思います。

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