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今年の市場相場を読む

コアな需要が見込まれた野菜類 ハーブ類/トウガラシ/アシタバ/モロヘイヤ

市場でいう小物商品、小売店なら品ぞろえといわれる野菜類は、業務用などを中心に非常にコアな需要があるものだ。市場も産地もそれが一般家庭にまで普及拡大することを期待する。最初はツマ物であった大葉やミニトマトはその代表格で、主要野菜の仲間入りをした。近年では水菜・ゴーヤー・ズッキーニなどもある。普及拡大は、基本的にはPR法やメニュー提案などの効果いかんだが、専門家も首を捻るようなヒット商品もある。消費者もまた全国各地の珍しい食品や料理を食べる機会が増えており、そんな体験が普及の伏線になることもあるだろう。いくつかのコア商品の10年の推移を見てみよう。

ハーブ類
ベビーリーフを加え約5割増。バジル中心で伏兵はパクチー

【概況】
東京市場へのハーブ類の入荷は、月ごとの変動がごく少ない。業務用に特化している証拠だ。ところが、過去10年間を比較してみると、数量で25%減り、単価は5割程度高くなっている。数量減は「ハーブ類」のなかから「ベビーリーフ」が数年前に独立した統計になったため。2005年当時のように、ベビーリーフを加えてみると、ハーブ類は48%も増え1000tの大台に近づいた。普及拡大しているといえる。
【背景】
ハーブ類については、市場流通より市場外流通のほうが多い、といわれる。それはエスビー食品の独自の生産流通戦略があるからだ。同社は全国約40カ所の個人農家や農業生産法人と生ハーブの生産委託契約を締結。中心となる産地はJAおきなわで、契約栽培を始めて27年。生産するハーブは11種類。主力のバジルが7割を占め、パクチーが1割強。周年供給の体制だが10~6月が中心である。05年度は5年連続の増加で126t程度である。
【今後の対応】
ハーブ類のなかでは、最も順調なのがバジル。これから急成長していくだろうハーブは、パクチーだ。東京青果では、5年前に比べ7割増えて約130t。臭いを嫌う日本人も多いのだが、タイやベトナムの料理にはよく合う。食べたときには大きなショックを受けるはずなのに、ファンが急増している。個性的な食材は一転、俗にいう「クセになる」というやつだ。いまやパクチーだけの炒め物を注文するパクチニストと呼ばれる人もいるそうだ。

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