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イベントレポート

2016年度 土を考える会夏期研修会 北海道

北海道土を考える会は7月7、8日の両日、39回目となる夏期研修会を開催した。北海道の6月は記録的な曇天と降雨で夏らしい日がなかった。7月7日は晴れ。気温も高く、いよいよ北国の遅い夏の到来である。絶好の農作業日和に、後ろ髪を引かれながらも、全道各地の農業者がこの日、上富良野「土の館」に集結した。参加者は事務局、講師を含めて55名だった。
研修会のメインテーマは「有機物施用による持続型農業について考える」である。某バラエティのオープニングテーマが開幕を知らせ、長門茂明会長と私の掛け合いで開会を宣言した。
「篤農家と掛けまして、オリンピック選手と説きます」
「その心は、知力(地力)・体力(耐力)抜群です」

緑肥を巧みに利用する土づくり

初日の第1幕は「有機物施用による持続型農業について考える」と題した、パネルディスカッションからスタートした。玉手博章氏(道央支部)、尾形恭男氏(中央支部)、奥山和徳氏(十勝支部)、小原意玲氏(中央支部)、佐藤博志氏(十勝支部)の5名がパネリストとして登壇し、自己紹介の後、それぞれが実践している土づくりについて話した。
長門会長の巧みな司会進行により、5名の土づくりへのこだわりが論理的に浮き彫りになっていった。堆肥へのこだわり、緑肥の選び方、緑肥すき込みの耕起深に技あり!! 5名のすき込む方法と、その道具への愛着も紹介された。会場からも積極的な質問や意見が多く、とくに緑肥については、品種・すき込み時期など多種多様であった。有機物のすき込みと言っても、個性の出る技術であることが証明されるディスカッションであった。
第2幕は、緑肥のすき込み作業を、ホワイト農場で実際にやってみるという企画だ。つまり、実践編である。
実証区は、緑肥の立毛すき込みが2パターンで、20インチ4連のプラウと、2段耕プラウを使用した。また、緑肥をチョッパーでカットし表層混和する2パターンには、ディスクとスタブルカルチが用意された。最後に緑肥処理をスタブルカルチとカットロータリー、カットロータリーの2パターンを加え、全6パターンで緑肥すき込みを実証していった。
解説員は引き続き、長門会長と私が務めた。参加者とのディスカッションは青空教室のようで、解説に納得したとうなずく人、日ごろの悩みを質問して解決する人、積極的に考え方を述べる人と、大いに賑わった。
初日の最後は「最新の緑肥事情」と題して、雪印種苗(株)の藤田氏より、緑肥の品種や使い方、最新の研究テーマを中心に小1時間の講習会が行なわれた。とくに緑肥が病原の低減につながるという解説には、会場からも積極的な質問があり、緑肥利用に期待する声が多く聞かれた。

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