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人生・農業リセット再出発

ポルトガルと日本

“ここに地終わり、海始まる”と詩人が言うように、ヨーロッパ大陸がポルトガル西端にあるロカ岬の絶壁で終わると、いきなり眼下に広がる大西洋が水平線へ霞み、新大陸アメリカ発見へ夢の幕開け舞台になる。「アリガトーとオブリガートは同じ意味、語源は日本語から来たんだよ!」と首都リスボンで言われる。笑って信じない私に、「日本が初めて出会った西洋はどこの国だい? 織田信長時代前の1543年に種子島に鉄砲を持ち込み、キリスト教伝道を始めたのはポルトガルだよ!」と。
レストランのメニューに驚いた。イワシなど焼き魚が次々に皿に盛られて出てくる。その時代からの日本文化輸入だと説明される。30年の国際線乗務経験で、日本以外で焼き魚を食べるのはアジアとヨーロッパを結ぶボスポラス海峡のイスタンブールでしかなかった。フランスパンに丸ごとの焼き立てサバを挟んで歩きながら頬張る。じつに豪快でうまいが、中国人も朝鮮人も歴史的に焼き魚料理はしない。米国の高級邸宅街に住んでいた日本人商社マンの家族が退去させられた事件があった。近所が焼き魚の強烈な臭いと漂う煙が我慢ならないと消防車まで出動させる騒ぎになった。煮る・蒸す・炒める料理法はあるが、直火で魚を焼くのは世界的に奇異で極めて野蛮なのだ。

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