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【編集長インタビュー】
商機と見るや国境をも簡単に越えるオランダ人 東インド会社を作った国の末裔は農家である前に商人であり
- 紀平真理子
- 2016年09月16日
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オランダで見るべきは
技術ではなく、人
昆吉則(本誌編集長) オランダにしても、開発途上国にしても、日本を捉える際の合わせ鏡にしようとたびたび説いてきました。小社主催の海外視察ではそのテーマを常に意識しながら、同時にその延長線上で日本から農産物を輸出するよりメイド・バイ・ジャパニーズのほうが意味があると訴えてきたんです。そもそも食文化を輸出しない限り、農産物なんか輸出しても大して売れませんからね。何より日本の農産物は高価ですから、そのコストを下げる努力もなしに輸出振興なんておかしいと言ってきたわけです。
紀平さんのように日本農業を理解するには海外に行くべきなんです。しかも、彼らがいかに資本主義というかマーケットの世界で国境を越えるなかで、どんなことを考えてどんなことをしているのかということを見ることが重要だと話してきました。
紀平真理子 オランダ農業を目の当たりにして、やっぱり技術がすごいなというのが初めの感想でした。その後、何度か日本からの視察者を案内したんですけど、私と同じような思いを抱きつつ、日本ではこの技術は使えないなということで終わってしまうんです。視察目的が人ではなくて技術なんですね。私が訪問した数々の農家は技術的に進んだものを持っている人ももちろん多いんでしょうけど、どちらかというとそういうことより経営者という感じがしたんです。日々のマネジメントの仕方やワーカーとして雇っているポーランド人との付き合い方とか、むしろそれらの点に目を向けてもらいたいと思いました。
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紀平真理子 キヒラマリコ
1985年、愛知県生まれ。2011年、オランダへ移住し、食や農業に関するリサーチ、本誌や馬鈴薯専門誌『ポテカル』への寄稿を開始。2016年、オランダVan Hall Larenstein University of Applied Sciences農村開発コミュニケーション修士卒業。同年10月に帰国し、農業関連記事執筆やイベントコーディネート、海外資材導入コーディネート、研修・トレーニング、その他農業関連事業サポートを行なうmaru communicateを立ち上げる。今年9月、世界の離乳食をテーマにした『FOOD&BABY 世界の赤ちゃんとたべもの』を発行。食の6次産業化プロデューサーレベル3認定、日本政策金融公庫農業経営アドバイザー試験合格。
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