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編集長インタビュー

商機と見るや国境をも簡単に越えるオランダ人 東インド会社を作った国の末裔は農家である前に商人であり


紀平 おもしろいなと思ったのは、私が通うオランダの学校の課題でのことで、エボラ出血熱が発生したアフリカのシエラレオネを取り上げたんですね。そのとき、当地では感染を防ぐために、10人以上で集まってはいけないという規則がありました。それまでカカオの生産指導とかでファーマーフィールドスクールというものを行なってきたのにできなくなってしまった。そこで、何を考えたのかというと、現地の普及センターにタブレット端末を取り入れるプロジェクトを始めたんです。そのタブレットを使って生産した農家には認証を与えて、それを特別にオランダで高く引き取ることを実施しました。もちろんというべきか、独占契約も結ぶわけです。いったんオランダに集めた生産物は他国にも振り分けていく。オランダのすごいのはそこからで、一連の技術を売ったり、その他の研究機関と企業が一緒に入り込んで、後からまた別のところがみたいに参入していくことです。国内の関係先がライバルになって進出していくのではなくて、一枚岩になるのもオランダの特徴ですね。
昆 日本だと少し変わってきましたけど、企業の農業参入がいけないとか、企業が関与することに対して資本による農業のインテグレートがよくないとか、つい最近まで叫ばれていました。ところが、カルビーが北海道農業をよくしたように、まさにインテグレートしたからよくなっています。オランダにはすでに農水省もないですし、国がなんとかするというのもありません。むしろ、フードバレー(注:食や農業を柱とした地域振興)ができたり、国もその一員としてやるみたいなことがあるわけです。オランダはビジネスというものを文化的に協調しています。なおかつ、オランダ全体がもうかるみたいな非常にさばけた商売人です。その一例が先ほどのシエラレオネのようなことなんでしょう。
紀平 誰もそのときは狙わないだろうというところで一番に行くのがオランダです。ガーナのカカオはすべて手をつけられているみたいですけど、シエラレオネには他国がまだあまり入り込んでいないので、接ぎ木などきちんと栽培指導ができれば生産量が上がると踏んでいます。日本の宮城で実施している震災関係の補助金プロジェクトもオランダの論文とかを読むと、地震と関連づけていまがチャンスだと書かれていました。
昆 我々が産業用大麻に興味があることを在日のオランダ大使館も知っていました。宮城は大麻しかないと売り込んでくるんです。そのレポートには日本には大麻の歴史があるということまでちゃんと載っていました。

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