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トウモロコシのはなし

消費者ニーズから生まれたNon-GM飼料牛乳


余談だが、いくらプレミアム乳価が保証されているといっても、割高な飼料原料を利用するということは、畜産農家に挑戦を強いる。しかし、酪農においては、養豚、養鶏に比べると比較的そのハードルが低い。その理由を説明しておきたい。
乳牛の生産費に占める飼料費の割合は平均5割だ。飼料費が約7割を占める豚や鶏に比べると2割も少ない。子牛の購入価格が高いという理由もあるが、前述のとおり、乳牛の飼料は約半分が粗飼料であることが影響している。粗飼料は多くが自家生産、国内生産でまかなわれているが、濃厚飼料は配合飼料に頼るケースが多く、個々の経営でコストダウンを図るのが難しいからだ。
粗飼料はほぼ国産飼料化を達成しており、あとNon-GMOに置き換えるべきは濃厚飼料の半量(トウモロコシ、大豆、綿実)のみであることを考えると、生産費に対するコストアップはそれほど大きくならない。また、サイレージ用にデントコーンを栽培していればなおのこと、子実トウモロコシとして収穫し、濃厚飼料に利用するチャレンジにも理解を得やすい土壌があるのではないだろうか。

消費あってこその生産

さて、Non-GM牛乳の生産にあたっては、飼料費だけでなく生乳の受け入れ、保管を通常の牛乳と異なる製造ラインで行なうことにもコストがかかる。こうしたプレミアム乳価の加算分も含むコストはすべて商品価格に転嫁している。多少割高であっても、商品として成り立っているのは、共同購入グループという顧客層とつながっているためである。彼らはNon-GM飼料の利用や、北海道の限られた生産者が生産しているという商品の素性、会社の姿勢などを理解して対価を払っている。
よつ葉乳業は、都内、大阪の消費者を対象として、年に1回牛乳生産者と消費者、JA、ホクレンなどの関係各所との交流会を開き、現場視察、懇親会などを実施している。消費者に生産のこだわりを改めて認識してもらうとともに、さらなる検討を行なって生産者に高いモチベーションを保ってもらおうと狙ったものだ。もともと食に関心の高い消費者の集まりではあるが、このような機会に生産にかかわる知識を深めてもらうことも、この商品を継続することに役立っている。同社は「Non-GM牛乳は今後も大切なラインナップの1つとしてつくり続けていきたい」という展望を示している。
これまでの農業は、種苗メーカーが開発した種苗から製品をつくり、売っていくというプロダクトアウト型のケースが圧倒的に多かった。それに対して、国産子実トウモロコシは事情が少し異なる。すでに安価なトウモロコシが輸入され、単純な価格競争では敵わないという事情があるからだ。さらに、乾燥・調製施設や保管倉庫の不足や、必ずしも再生産可能な価格とリンクしていないという現状の問題を鑑みると、プロダクトアウト型では戦えそうもない。

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