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今年の市場相場を読む

季節野菜はどう変遷しているのか タケノコ/ナノハナ/ソラマメ/ラッキョウ

「和食」が世界文化遺産に認定されてから、日本人にとっても「和食とは何か」が問われている。日本独自の調味料類や醤油や魚系のダシを使うなどの大まかなことはわかっても、和食の決まりごとや精神までは一般にはほぼわからない。ただ「季節感を大切にする」という基本は想像がつく。実際、会席料理などには、「先取り」「盛り」「名残り」、つまり促成・旬・終盤のものが入っていなければならない。野菜では小売店が、一定シーズンしか出回らない「季節野菜」を目玉商品として販売に力を入れる。和食とともに旬や季節が見直されているなか、この10年、季節野菜はどんな入荷動向だったのか。

タケノコ
3割減6割高。孟宗か細竹かの地域差が色濃い

【概況】
東京市場への入荷は、この10年で3割減って、単価は56%も高くなった。入荷ピークは変わらず4月だが、年明け1~2月の入荷が半分以下になっている。2005年の産地は、1位福岡で2位中国、3位熊本だったが、15年には中国産の入荷量は半減以上、福岡のトップは変わらないが、2位に熊本、3位に静岡が入り、中国は4位でシェアは1割強。産地の変遷は、伸び方ではなく減り方の大小が順位に反映されている。
【背景】
1~2月が半減したということは、季節の先取りが減っているということで、いまではこの時期には単価は1000円を上回り、一般には使えない食材になっている。ただ単価が高いということは、入荷が少なくても料理店などでの需要があるということで、和食の伝統は生きていることになる。10年前は数量が多くても、この時期にはせいぜいキロ600円を超えていない。早出しのタケノコでも、一般家庭が使えた時代だった。
【今後の対応】
筍と書くタケノコは、季節、旬の食べ物である。主に京阪神など西日本では、孟宗竹のタケノコを走りのときからもう少しで竹になるくらいまでの調理法がある。それに対して甲信越から東北にかけてはタケノコといえば細竹(曲がり竹)であり、シーズンが始まると、一般の人々が一斉に山に入り、家庭で水煮加工・貯蔵したり地場市場に出すものも。関東だけは、孟宗竹を季節に1回食べればよく、細竹のニーズも少ない。

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