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新・農業経営者ルポ

顧客に必要とされ環境も守る道探す

滋賀県浅井町の草野武は、有機・無農薬の稲作を目指している。また黒米などの有色素米の栽培にも積極的に取り組み、特色のある稲作経営で地域の評価を得ている。かつては肉牛120頭を経営していたが挫折。その後いったんは農業以外の事業に力を入れるが、稲作農家として再び専業農家となったという異色の経歴の持ち主だ。それらの経験から高収益と環境負荷低減の両立を自身の使命と考える。(斎藤訓之)
「コメは先行き明るくないと思って落ち込んでいた時期があった。でも、今こうしてコメを続けていられるというのは、僕が必要とされることがまだあるんやろなと思うんです」 草野農場がある滋賀県浅井町は、琵琶湖の北東に位置する。湖北と呼ばれるこの一帯は、水が豊富な上、温暖。しかも病害虫が比較的少なく、稲作に向く地域として有名だ。半面、12月~3月まで積雪があるため、年ごとの収入がコメの一作にかかっているという厳しさもはらむ。


有機・無農薬を志向した農法と有色素米で特徴ある稲作を展開

 草野の稲作は、コメヌカ、モミガラ、給食の残さから作ったコンポスト、鶏糞といった有機資材のみを肥料に使う。除草は初期除草に除草剤を使い、後は機械除草のみという、有機・無農薬を志向したものだ。

 2004年の作付けは、コシヒカリ5ha、黒米のアサムラサキ1・8ha、緑米のアクネモチ40a、低タンパク品種として開発されたLGCソフト1・8haという内訳。

 コシヒカリは関西圏を中心とした消費者への直売と物納の借地料用。有色素米は地元に本社のある健康食品チェーンに直販。LGCソフトは大阪の米穀店に販売した。

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