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土と施肥の基礎知識

土の化学性(3)土の酸性


4.窒素の過剰施用は
悪循環の始まり

畑で窒素施用を繰り返せば、このようなメカニズムで交換性塩基が一方的に減るので、土のコロイドには土の中に多量存在する水分子から外れた水素イオンが吸着される。その後は未耕地と同じメカニズムにより、土のコロイドからアルミニウムイオンが溶出し、土が酸性化して雨水のpHが低下する。
そこで、野菜や畑作物栽培では苦土石灰などの石灰資材を施用して、硝酸イオンと駆け落ちした石灰や苦土を補ってpHを6・0~6・5に戻す。これが畑の酸性改良の基本である。一方、茶樹はpH4~5の酸性を好む作物であるため石灰施用量が少なく、また茶葉の品質を高めるため窒素肥料を多く施すので、極端な酸性土壌となる。
また、地下に駆け落ちした硝酸イオンが地下水に流れ込むと、それが水域の富栄養化の一因となる。
このように、無駄に窒素肥料を多用すれば石灰資材も増え、肥料代の浪費ばかりでなく、環境負荷を増す。さらに、窒素肥料のほかにも生理的酸性肥料に分類される塩化カリウム(塩加)や硫酸カリウム(硫加)などの過剰施用も土の酸性化を助長するので、土壌診断分析に基づいた施肥管理を徹底すべきである。

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