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Opinion

佐賀県のタマネギべと病による被害は深刻

タマネギ生産量16万tで、北海道に次いで全国第2位の佐賀県が、べと病という病害により記録的な大きな被害に見舞われたと新聞各紙が報じた。
タマネギは、北から北海道、栃木、静岡、愛知、大阪、兵庫、香川、佐賀と全国で栽培されている。北海道は春まき栽培、西日本では秋まき栽培が行なわれ、季節ごとに産地が移動していく。今回、佐賀では生産が盛んな白石町や江北町、大町町など主産地でべと病の被害が大きく、予定した収量の2割程度しか収穫がないところもあった。
べと病はカビの一種Peronospora destructorが原因である。分類学上、カビのなかでもクロミスタ界に属し、比較的低温で降雨が多いと多発する傾向にある。キュウリやメロンなどのウリ科類、ハクサイやキャベツのアブラナ科類、レタスなどのキク科類、ブドウなどで発生することが知られている。ただ、同じ名称の病害でも科を越して感染することはない。つまり、タマネギやネギなどのヒガンバナ科に感染する病原菌はキュウリなどには感染しない。
べと病は、発病した葉などの病斑の組織内で卵胞子という耐久体の胞子を形成して土壌に潜伏し、来年の発生に備える。タマネギが定植され、栽培が始まると卵胞子は発芽して感染する。おそらく1月ごろには感染したタマネギの葉に分生胞子を形成してまん延していたはずだ。春になり、ここから分生胞子を発生させ、爆発的に感染を繰り返す。

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