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今年の市場相場を読む

大被害を受けた道産野菜の動き ジャガイモ類、タマネギ、ニンジン、ブロッコリー

この夏、北海道が有史以来の大被害に見舞われた。5回とも6回ともいえる台風被害、とくに豪雨が川を氾濫させ多くの圃場を水没させた。コメをはじめ収穫間近のジャガイモ・タマネギ、ピークのシーズンに入っているニンジン・ブロッコリーなど、北海道の夏秋野菜には、代替できる大型産地がほとんどない。そんななかで、現在(9月上旬)の市場入荷状況はどうなっているのだろうか。ジャガイモにはでん粉用もあり、それが生鮮用にどこまで振り向けられるかはまだ不明だが、タマネギは輸入量が史上最高になることだけは確実だ。今回は直近データをもとに道産野菜の動向を探る。

ジャガイモ類
入荷ピークに大影響。加工需要は輸入、小売用はひっ迫

【概況】
東京市場へのジャガイモ類の入荷は、この10年で7%増えて単価は20%も高くなった。これは全体の6割を占める北海道産が増えているため。入荷ピークである10月は変わらず99%が北海道産で、ピークが始まる9月の道産は、かつてシェア9割強、2015年にはほぼ100%と独壇場である。今年の8月も、例年のようにシェア8割、入荷量前年比7%減程度だったが、9月上旬になるとやはりガタンと減ってきた。
【背景】
主に8月にたびたび被害を受けた北海道産は、9月上旬になると入荷量は前年比13%減、単価は4割も高い。とくにメークインは半減近く、同様に高騰しはじめた。道産ジャガイモは、蔵入れが始まる10月末ごろには生鮮向け出荷予定量の見通しがつくもの。しかしすでに収穫しながらも、品薄を見込んで貯蔵しながらの様子眺めも増えている。東京市場では、道産が不足のため普段は入荷もない茨城・千葉・長崎・栃木などからも集荷に走っている。
【今後の対応】
タマネギと異なり、国産が品薄だったら輸入すればいいという品目ではない。いま輸入が許されているのは、冷凍品か生鮮品でも、上陸から工場まで密封したトラック搬送しているカルビーの一部工場だけ。これから10月に向けて入荷はどんどん減ってくるはず。業務用需要の一部は、確実に輸入の冷凍やディハイポテト(乾燥品)で代替するが、圧倒的大産地の道産がこれだけ史上初の大被害を受けると、この秋冬マーケットがどうなるかわからない。

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