ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

今年の市場相場を読む

大被害を受けた道産野菜の動き ジャガイモ類、タマネギ、ニンジン、ブロッコリー


タマネギ
秋冬は道産が独壇場状態。 影響は一部産地のみ?

【概況】
東京市場のタマネギは、05年対15年で見ると数量は2%と微増だが単価は16%程度高い。かつて7~8月は泡沫産地だった北海道もいまや8月には6割弱を占め、年内は独壇場。九州産が本格化する春先まで出荷は続く。それが今年9月上旬には前年より12%少なくシェアも8ポイント減。この穴埋めには、前年より3倍も入荷した中国、3割増やした兵庫、昨年は実績さえなかった米国産も入っている。
【背景】
今年はタマネギにとって受難の年になった。8月までの春夏産地の佐賀ではべと病が大流行し、全体の6割を占める北海道産がご覧の有様だ。とりわけ全国の2割を占める大産地・北見市では、8月の台風の上陸と豪雨で、2500haの収穫直前のタマネギ・ジャガイモ畑が冠水した。昨年の道産の入荷実績では、9月以降は97%前後で推移する絶対産地である。それが今後、九州産が出る3月まで、どのくらい入荷減となるか予想もつかない。
【今後の対応】
北海道の被害の全容はまだ明らかではないが、実際は全体に占める被害の割合は一部で、長期的には品薄も解消されていくというのが農水省の観測。青果卸売会社でも、入荷は減るだろうが価格は2割前後の高値で収まるだろうと見ている。青果物は水と逆で、低いところから高いところに流れる。そのため、東京市場では各地から供給され、それほどの入荷減とならないだろう。加工業務需要は国産がないから輸入を増やすだけである。

ニンジン
前年ペースが9月に2割減。輸入依存をなんとか国産で

【概況】
東京市場に入荷するニンジンのこの10年を対比すると、入荷量3%増、価格2%高と、ほぼ変わらないで推移してきた。道産のシェアは、7月3割程度、8~10月は9割以上、中心の9月は98%の独壇場である。今年は、7月はシェアを7%程度落として入荷量は32%の減。続く8月になるとシェアは3%程度落としたが入荷量は2%減と、スタートは例年どおり。それが9月上旬には前年より2割も減って5割高だ。
【背景】
9月の道産ニンジンの入荷減をカバーしているのは、前年より4倍の数量が入った中国産、青森も残量を出してきたという感じで、これまでほとんど実績がなかった埼玉・群馬からも。今後ピークのはずの10月には、道産は大幅な入荷減となるだろうが、11月以降は徐々に関東産地に戻っていくので、それほど影響は大きくないと見る。加工業務需要者は輸入品を中心に手当てするだろう。これもまた相場的にはそれほど高騰しないという推測の根拠だ。

関連記事

powered by weblio