ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

今年の市場相場を読む

大被害を受けた道産野菜の動き ジャガイモ類、タマネギ、ニンジン、ブロッコリー


【今後の対応】
道産ニンジンが大きな被害を受けても、それほどひっ迫感がないのは、むしろ残念である。その理由は、近年ではニンジンの輸入がコンスタントに8万~10万tもあり、国産の増減をカバーできる体制が整っているからだ。ニンジンは土の中で育つ土物で、一般に土物は気象条件に鈍感だ。しかしニンジンだけは例外で、生育が葉物並みに天候に左右される。これだけの輸入があるのだから、もっと各地でニンジンの作付けを増やすことができないか。

ブロッコリー
道産は10年前の2・5倍。品薄なら各地から支援増も

【概況】
東京市場へのブロッコリーの入荷は、この10年で46%も増え、単価も17%高くなった。とくに道産は2・5倍も増え、シェアも9%から15%に拡大。とくに夏場のシェアは7月59%、8月76%、9月65%と、夏場の主産地だった長野産の出荷と重なり、さらに遅くまで出る産地として急激に伸びた。今年は7月には前年並みであったが、8月は全体が8%伸びるなか、入荷は前年並みでシェアは7ポイント落とした。
【背景】
9月上旬には全体の入荷量が1割近く増えたのに、ピークに入るはずの道産が、台風などにより被害が大きく数量が期待できない、という観測があったからだろう。それをカバーしようとしたのは前年の2倍の数量を出してきた長野産、オーストラリア産も前年の3倍、青森産は同4倍の入荷だ。近年、11月以降の冬春産地である関東の埼玉、東海の愛知が出てくるまで、道産の出荷が継続されるという、頼もしい大型産地となっていた矢先のことだ。
【今後の対応】
北海道には、一法人として日本一という生産者がいる。それは、全国に6カ所の直営農場を持つドールだ。近年国産のブロッコリーの伸びは北海道がけん引してきたが、なかでも影響力があったのは、自社輸入分のかなりの部分を、国内の自社農園に移す国産化を積極的に推進してきたドールだ。ドールは北海道の後は長崎五島の農園にチェンジしていくが、今年は他の農園からの出荷を意図的に増やして、品不足解消の手伝いをするだろう。

関連記事

powered by weblio