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北海道馬鈴薯でん粉物語

馬鈴薯でん粉工場の産・排出資源の利活用 でん粉粕

飼料化
戦中、戦後の食料難の時代にはでん粉粕が食糧として利用されることもあった。当時はでん粉製造の技術が稚拙で、でん粉が相当残っていたことから、必ずしもまずいというものではなかったようである。
昭和30年(1955)から合理化でん粉工場が建設されると新たに難問が浮かび上がってきた。小工場が全道に多数分散していた当時は、でん粉粕も適当に捌けて処理に窮することはなかった。工場用水もそのまま河川に放流してもとくに問題は発生しなかった。自然の浄化能の範囲にあったからである。
工場が大規模化し、大量生産方式ででん粉が製造されるようになると、製法は高水準化するが、大量の用水は環境を汚染することがあってはならないので、浄化して放流しなければならなくなってきた。でん粉粕も量が多いだけに、なんらか工夫して需要を喚起する必要があった。でん粉粕を食料に供する時代でもなければ、家畜の飼料として利用するしかないとされた。
ところが、でん粉粕の含水率が95%と高水分であるため、始末が悪かった。トラックで運ぶとしても液が滴り落ち、道路を汚せば警官に注意され、恐縮するばかりである。飼料として発酵できても、水分が多いばかりに取り扱いが面倒であった。
でん粉粕を70%台に脱水できないかと各工場が脱水法の開発に取り組んだが、どうしても果たせなかった。石灰を混合すると可能であったが、その石灰が邪魔になり、でん粉粕として利用できない悩みがあった時代である。そんなとき、製紙会社で汚泥を脱水するのに濾布プレスを使って脱水に成功していた。これをでん粉粕の脱水に使ってみると、石灰などを混ぜなくても見事に脱水できた(図1、写真1)。各でん粉工場はこれをスーパープレスと呼んで導入している(写真2)。
含水率95%を75%にすることがそんなに画期的な発明かと思うであろうが、表1に示されるように脱水後の総重量は約4分の1になってしまうのである。運搬効率がそれだけ高まったことになり、畜産農家にはその面でも福音をもたらしている。

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